事件の基本情報
| 裁判所 | 広島地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(行ウ)20 |
| 判決日 | 2011-11-09 |
| 分類 | 労働 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法25条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 原告の本件疾病が業務に起因するものであるか否か 3 争点に関する当事者の主張 【原告の主張】 (1) 業務起因性の判断基準 労働者災害補償制度は,生存権(憲法25条)及び勤労の理念(同法27 条)に基づく救済制度であるから,業務と疾病との因果関係(業務起因性) の有無の判断にあたっては,民事の損害賠償制度における因果関係よりも緩 やかに解釈すべきであり,当該疾病の発病が業務の唯一の原因である必要は なく,業務上の何らかの原因が他の原因と共同の原因となって生じた場合に は,業務起因性を肯定できる。 そして,精神障害と業務との因果関係(業務起因性)については,環境由 来のストレスと個体側の反応性,脆弱性との関係で精神破綻が生じるという 「ストレス-脆弱性理論」を前提とすると,精神障害発病前の業務内容及び 生活状況,これらが労働者に与える心理的負荷の有無及び程度並びに当該労 働者の基礎疾患などの身体的要因や精神障害に親和的な性格等の個人的な 要因などを具体的かつ総合的に考慮し,医学的知見に照らして,社会通念上, 当該業務が労働者の心身に過重な負荷を与える態様のものであり,これによ って,当該業務に精神障害を発病させる一定程度以上の危険性が存在する場 合には,業務起因性を肯定することができるというべきである。そして,精 神障害を発病させる一定程度以上の危険性の有無は,同種労働者(職種,職 場における地位や年齢,経験などが類似するもので日常業務を遂行できる健 康状態の者)の中で,その性格傾向が最も脆弱である者を基準として判断さ れるべきである。 (2) 本件疾病における業務起因性の有無 ア 原告は,c発電所桟橋工事が着工して以降(平成8年7月以降),同工 - 3 - 事の工事事務所所長とb発電所護岸工事の工事事務所副所長を兼務して いたところ,b発電所護岸工事を進める中で,次の(ア)ないし(カ)のとおり, 過度の業務上の負荷を重畳的に受け,心身の疲弊が積み重なっていたとこ ろ,平成9年1月,次の(キ)のとおり,非常に重大な仕事上のミスが発生 し,そのフォローに困憊した結果,同月ころに本件疾病を発病し,その後, 同月27日及び同年2月2日の二度にわたって自死を図ったものである。 (ア) 引っ越し及び単身赴任に伴う負荷 原告は,平成元年1月にb発電所護岸工事の工事事務所副所長に就く ように命じられて以降,島根県 a 市 b 町に単身赴任していたところ,平 成8年7月にc発電所桟橋工事が着工すると同時に,同工事現場(広島 県豊田郡 c’町所在)近くの宿舎に引っ越して,単身赴任した。 このような引っ越し及び単身赴任が,原告の心身に対する負荷となっ たことは否定できない。 (イ) 所長としての勤務に伴う負荷 a 原告は,b発電所護岸工事において工事事務所の副所長の経験はあ
主文(判決文より)
1 広島中央労働基準監督署長が原告に対して平成19年11月15 日付けでした労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付を支給し ない旨の処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。