建造物等以外放火,殺人,窃盗被告事件

事件の基本情報

裁判所広島地方裁判所
事件番号平成25(わ)226
判決日2014-07-16
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法235条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
平成25年4月26日付け起訴状記載の公訴事実の要旨は,次のとおりで
ある。
被告人は,平成24年12月5日午後6時30分頃,広島市所在のDl号
室において,ベッドに寝ていた被害者(当時85歳)に対し,殺意をもって,
同人の身体に掛けられていた布団にライターで火を放ち,その火を同人の着
衣及びカーテン等に燃え移らせ,よって,これらを焼損し,公共の危険を生
じさせるとともに,同月6日午後6時43分頃,病院において同人を火傷死
させて殺害したものである。
この件につき,証拠によれば,上記日時場所において何者かが放火をした
事実がうかがわれること,前記D(以下「本件施設」という。)は,在宅医
療を必要とする利用者向けの入居施設であり,介護士と看護師が常駐してい
ること,被告人が本件施設で介護福祉士として勤務していたこと,被害者は,
個室のl号室に入居しており,認知症等によって寝たきりの状態にあり,自
分で動くことも寝返りもできず,喃語以外の発語がない状態であったことが
認められる。
争点は,放火の犯人と被告人の同一性であり,検察官は,被告人の検察官
に対する平成25年1月31日付け供述調書における自白(以下「本件自
白」という。)がその証拠であると主張し,弁護人は,本件自白に任意性,
信用性がないと主張した。
第2 自白の任意性について
弁護人は,被告人の警察官の面前での自白は,長時間かつ威迫的,誘導的
な取調べによって得られたものであり,本件自白もその影響下にあったため
任意性がないと主張する。
1 長時間の取調べという点に関して,被告人が任意同行を受け取調べが開始
された平成25年1月17日においては,確かに短い休憩を挟みながらも深
夜まで継続して取調べを行っていることが証拠上明らかであるものの,自分
がl号室のカーテンに火を点けたと被告人が供述したのは同日の取調べ開始
から約1時間16分後の午後1時46分頃であり,さらに,被害者のベッド
に火を点けたと供述したのは午後6時過ぎであって,被告人の自白は長時間
の取調べによって獲得されたものとはいえない。
2 また,被告人は,取調べ担当警察官であるG警察官から2回怒鳴られるこ
とがあったと供述するものの,被告人の供述を前提としたとしても,それは,
被告人が「私を犯人にしたいだけなんですよね。」と発言したことに対して
「やってもない人を犯人にしようとは思ってない。」と発言した場面及び被
告人が供述調書について「好きなように書けばいいじゃん。」と発言したこ
とに対して「お前,今みたいなことを二度と言うなよ。」と発言した場面の
ことであり,これらの発言は,任意でない自白を強いる趣旨でされたものと
は考えられない。むしろ,被告人の供述によっても,同警察官による取調べ
は全体として平穏なものだったのであり,自白を強いる

主文(判決文より)

被告人を懲役1年6月に処する。
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
平成25年4月26日付け起訴状記載の公訴事実については,被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。