事件の基本情報

裁判所広島地方裁判所
事件番号平成26(ワ)247
判決日2015-04-21
分類民事
判決文が挙げた条文刑法36条、国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張
(1) 本件発砲行為が違法なものであったか否か
(原告の主張)
ア 警察官職務執行法(以下「警職法」という。)7条本文は,「警察官は,
犯人の逮捕若しくは逃走の防止,自己若しくは他人に対する防護又は公
務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある
場合においては,その事態に応じ合理的に必要と判断される限度におい
て,武器を使用することができる。」と定め,武器使用の必要性があり,
かつ,武器使用が相当である場合は武器の使用を許容しているが,これ
を逸脱する場合は,警察官の武器使用は違法となる。
イ 本件の第1発砲では,C巡査長は,原告車の右後部座席の窓に向けて弾
丸を撃ち込んだ。その当時,原告車は,それほど高速で移動していたわ
けではないが,動いている自動車への発砲は,拳銃の操作を誤り,発砲
のタイミングや発砲の方向を誤れば,思わぬ結果が生じることもあるか
ら,そのような危険性のある発砲自体,相当性を欠いていたというべき
である。
また,C巡査長が発砲した時点では,すでに原告車の運転席はC巡査
長の前を通り過ぎており,この時点で発砲しても,警職法7条の「犯人
の逮捕若しくは逃走の防止,自己若しくは他人に対する防護又は公務執
行に対する抵抗の抑止」にとって,もはや何の役にも立たない状況にな
っているから,発砲の必要性の要件自体が存在しなかった。
したがって,第1発砲は違法である。
ウ 第2発砲では,C巡査長は,原告車の後方から発砲したが,この時点で
の発砲は,第1発砲と比較して,一層,警職法7条の「犯人の逮捕若し
くは逃走の防止,自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する
抵抗の抑止」にとって役に立たない状況になっているから,やはり発砲
の必要性の要件は存在しなかった。
また,第2発砲の弾丸は,原告車の車両後部ガラスを壊して車内に突
入し,原告の頭部から至近距離の助手席ヘッドレストに食い込んで止ま
っており,ひとつ間違えば,弾丸は原告の頭部に命中していた可能性が
高い。第2発砲により生じた原告の生命身体への危険は非常に高度で,
発砲の相当性の限度を超えていたことは明らかである。
したがって,第2発砲も違法である。
エ C巡査長は,本件発砲により,原告に精神的損害を与えており,これは,
警職法7条ただし書の「人に危害を与え」た場合に該当する。
そして,本件は,刑法36条(正当防衛),37条(緊急避難)並び
に警職法7条ただし書1号及び2号のいずれにも該当しないから,違法
である。
(被告の主張)
ア 本件の事実経過
原告が本件発砲前に覚せい剤様のものを見せるなどしたこと
a 原告は,平成24年7月6日午後2時10分ころ,原告車に一人乗
って,広島市E区Fのガソリンスタンドに給油に寄った際,給油をし
た店員

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。