強盗殺人,詐欺

事件の基本情報

裁判所広島地方裁判所
事件番号平成28(わ)142
判決日2017-09-26
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,
1 第1の詐欺について,被告人が被害者から現金100万円の交付を受けた
ことは争いがなく証拠上も明らかであるところ,①被告人が,現金100万
円を被害者から受け取るより前に,100万円を交付させるようなうそをつ
いたか否か(欺罔行為の有無),
2 第2の強盗殺人については,被告人が,被害者に抗うつ剤,睡眠薬及び殺
そ剤を服用させ,インスリン製剤を注射し(以下,これらの一連の行為を
「薬物投与」という。),さらに被害者を浴槽に入れて湯を張り,薬物中毒又
は窒息により死亡させたこと,それから被告人が被害者の財布から現金9万
円を持ち去ったことは,争いがなく証拠上も認められるところ,②被告人が
薬物投与を開始した時点で,被害者に対する殺意があったか否か(殺意の発
生時期),③被告人の現金9万円の持ち去りが,強盗行為となるのか窃盗行為
となるのか(現金強取の故意の有無),
の①から③の3点である。
本件では,被害者は死亡しており,その全容を語れるのは被告人しかいな
いところ,検察官は,捜査段階の被告人の自白供述は,他の証拠にも整合す
る信用できるものであると主張する。すなわち,被告人の自白供述によれば,
①被告人は,平成27年5月上旬頃,現金をだまし取る意図で株式購入を装
って「100万と利益を返すから」などと言った,②薬物投与時点で,被害
者に対する殺意があった,③被告人には薬物投与により被害者を殺して金を
奪う意図があったから,被害者の現金9万円を持ち去ったことは強盗行為に
当たる旨主張する。
これに対し,弁護人は,捜査段階の被告人の自白供述は信用できないとし,
①被告人は,被害者から現金を受け取る前に「100万と利益を返すから。」
などとと言ったことはなく,詐欺の公訴事実記載の実行行為は存在しない,
②被告人に殺意が生じたのは,被害者を浴槽に入れて湯を張った後,被害者
の頭がふらふらしているのを見て,溺死の危険性を認識した時点であるが,
被害者の死因が薬物中毒である可能性も否定できない以上,検察官の主張す
る強盗殺人罪は成立しない,③被告人に被害者の財布内の現金を持ち去る意
思が生じたのは被害者方を去ろうとした時点であるから,強盗行為ではなく
窃盗行為に当たるにすぎない旨主張する。
第2 当裁判所の判断
1 争点判断の前提となる事実について
まず,法廷で取り調べた証拠や被告人の公判での供述によれば,次の事実
があったことは間違いなく認められる。
20代の頃にガス壊疽により右足を失った被告人は,平成22年8月頃,
広島県三次市内の病院に入院していた際に,同じ病院に入院していた大学
生の被害者と知り合った。被告人は,無職であったが,被害者に対しては,
自分はインターネットで仕入れをして販売する事業をしている旨うそを言
って,見栄を張っていた。被害者

主文(判決文より)

被告人を無期懲役に処する。
未決勾留日数中360日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。