重過失失火,重過失致死傷

事件の基本情報

裁判所広島地方裁判所
事件番号平成30(わ)145
判決日2020-10-28
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件行為と火災及び死傷結果との間に因果関係が認められるか,
仮に因果関係が認められる場合,本件行為を行った被告人に重過失が認められる
かという2点である。当裁判所は,本件行為と火災及び死傷結果との間に因果関
係が認められ,被告人に重過失が認められると判断したので,補足して説明する。
第2 前提となる事実関係
関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。
1 建物の構造等
本件建物は,木造瓦葺2階建の建物であり,同建物1階には被告人が店長を
務めていた飲食店「B」等があり,同建物2階にはメイドカフェ等があった。
本件建物1階の見取図は,別紙(甲第2号証添付の現場見取図第5図)のと
おりである。本件スペースの南側に壁等はなく,そのまま私道(幅員4メート
ル)に通じており,北側及び東側には壁があり,西側は階段があった。本件ス
ペースの東側壁に接して冷凍庫が置かれ,冷凍庫の西側には階段側面にあたる
西側壁に接して廃油の入ったペール缶が置かれていた。本件スペースは,Bの
みによって段ボールや空き瓶等のごみ置き場として使用されていた。
2 火災当日の経緯
⑴ 段ボール箱の置かれた位置・形状等
Bの従業員であるKは,平成27年10月8日の出勤後,段ボール箱6箱や
発泡スチロール箱4箱に入れられて取引業者らから納品された食材を取り出し,
開店までに,空になった段ボール箱や発泡スチロール箱を本件スペースに移動
させた。
Kは,このとき,段ボール箱をつぶしたり折りたたんだりせずに,大きい段
ボール箱に小さい段ボール箱をそのまま入れ子のように重ねて,段ボール箱の
蓋は開けたままの状態にしていた。Kがこれらの段ボール箱を置いた場所は,
別紙見取図の段ボール片の位置である。
なお,取引業者らから納品された食材の入った段ボール箱は新品ではなく,
再利用されたものであった。
⑵ 被告人の行動
Bは同日午後7時から開店しており,被告人は,接客等を行い,本件スペー
スの西側壁沿いのペール缶より南の位置に空き瓶等を捨てに行くなどしていた。
被告人は,同日午後9時28分頃から来店した3名の客を席に案内し,ドリン
クの注文を取って提供し,料理の注文を受けた。その後,被告人は,本件スペ
ースに酒の空き瓶を捨てに行った際,西側壁沿いに並んだ空き瓶の上に,1匹
のごきぶりがいるのを発見した。
被告人は,平成26年夏頃から,B店内などでごきぶりが出た際には,火炎
放射行為を行っていたところ,今回もごきぶりを駆除するために火炎放射行為
を行おうと考え,店内に戻った。
そして被告人は,店内からガスバーナーとアルコール製剤入りのトリガーボ
トルを持ち出して本件スペースに行き,空き瓶の上にいたごきぶりにめがけて
火炎放射行為を行った。噴霧火炎がごきぶりに命中し,ごきぶりが空き瓶の手
前の床に落ちると

主文(判決文より)

被告人を禁錮3年に処する。
この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。