損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所広島地方裁判所 福山支部
事件番号平成31(ワ)43
判決日2022-07-13
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は、①本件自殺の業務起因性(業務と死亡との因果関係)、
②被告の安全配慮義務違反の有無、③損害の範囲及びその数額等である。
2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲書証[枝番のあるものは、当該証
拠に付された全ての枝番を含む。以下同じ。]及び弁論の全趣旨により容易に
認定することのできる事実)
⑴ 当事者等
ア 丙(昭和55年7月3日生、死亡当時31歳)は、平成15年4月、静
岡県警察に入職し、その後、平成24年3月10日に本件自殺により死
亡するまでの間、警察官として勤務していた者であり、その略歴は、別
紙1「丙の経歴」記載のとおりである。
イ 原告甲は、平成17年7月14日に婚姻した丙の妻であり、原告乙(平
成19年9月28日生)は、その子であって、丙の死亡による原告らの
相続分はそれぞれ2分の1である。
ウ 被告は、静岡県警察を設置する地方公共団体である。
エ 丁は、平成22年3月から本件自殺のあった平成24年3月まで、静岡
県警察下田警察署(以下「下田警察署」という。)の地域課長の職務に
従事しており、丙の上司であった者である(乙33)。
⑵ 己交番における原則的勤務形態及び丙の職務上の立場
- 2 -
ア 丙は、平成22年4月以降、本件自殺に至るまで、静岡県警察下田警察
署己交番(以下「己交番」という。)において交番長として勤務してい
たところ、同交番においては、交番長を含む各勤務員が、3班に分かれ、
班ごとに、当直、非番及び週休(又は日勤)の各勤務を繰り返すという
三交替制の勤務が行われていた。各班は、それぞれ、交番長又は交番班
長1名、及び相勤務員1~3名の2~4名で構成されている。己交番に
おける各勤務員の所定の勤務時間及びその勤務の具体的内容は次のとお
りである(甲17、18、乙1、5、6、9、16、32、33、弁論
の全趣旨)。
(ア) 当直
午前9時までに、下田警察署に出勤し、制服の着用、拳銃の装備等を
行い、同時刻より、他の交番等の当直勤務員らとともに、地域課長又は
当直主任による点検配置を受けた上、己交番に出勤する。その後、翌日
午前9時まで、管内犯罪の予防検挙を目的とした警ら、立番、巡回連絡
に加え、発生した事件事故の処理、交通取締り、市民からの各種届出や
要望相談の受理等の職務に従事する。
この間、所定休憩時間として、午前11時から午後2時までの間に1
時間、午後4時から翌日午前8時までの間に7時間30分(このうち、
午後9時から翌日午前2時まで又は翌日午前2時から同午前7時までが
仮眠時間とされており、それ以外の2時間30分が食事等の休憩時間と
されている。)の合計8時間30分とされているが、急訴事件及び各種
届出等については、休憩中であっても直ちに受理し、必要な措置を講じ
るものとされている。このように、所定の休憩時間

主文(判決文より)

1 被告は、原告甲に対し、3151万0936円及びこれに対する平成30年
9月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告乙に対し、6985万2395円及びこれに対する平成30年
9月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、原告甲に生じた費用及び被告に生じた費用のうち3分の1との
合計の25分の3を原告甲の、25分の22を被告の負担とし、原告乙に生じ
た費用及び被告らに生じた費用の3分の2との合計の50分の1を原告乙の、
50分の49を被告の負担とする。
5 この判決は、本判決が被告に送達された日から14日を経過したときは、第
1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。ただし、被告が、原告甲
に対しては300万円、原告乙に対しては700万円の担保を供するときは、
その各仮執行を免れることができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。