事件の基本情報
| 裁判所 | さいたま地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(わ)1706 |
| 判決日 | 2010-12-03 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点は以下のとおりである。 1 争点1 判示第2の事実について,被告人に殺意があったか否かである。すなわち, 弁護人は,被告人が,Cの存在を明確に認識しないまま無我夢中でBを刺し, その勢いでCを刺してしまったのではないかという疑問が残るから,Cに対す る殺意はなかったというべきである旨主張する。 2 争点2 判示第1及び第2の各事実について,被告人が,犯行時,心神耗弱の状態に あったか否かである。すなわち,弁護人は,被告人が,犯行時,強度のうつ状 態に陥っていて行動制御能力が著しく減退していた疑いがあるから,心神耗弱 の状態にあった旨主張する。 第2 争点1について 1 凶器の形状,傷の位置及び程度について 関係証拠によれば,次のような事実が認められる。 (1) 凶器について 本件各包丁は,刃体の長さが約16.5センチメートルと約14.5セン チメートル,いずれも先端の鋭利な文化包丁であって,殺傷能力が高いもの である。被告人は,普段から本件各包丁を料理に使用していて,その形状, 性能をよく承知していたし,犯行に際しても,バッグに入っていた複数の包 丁の中から本件各包丁を選んで犯行に用いている。 (2) 傷の位置及び程度について Cが判示第2の犯行により負った傷の位置及び程度は次のとおりである。 すなわち,顔面,首,頭,背,胸,腹等に多数の刺し傷や切り傷がある。 そのうち,死因に関わる傷だけをみても,①首の左側に刺し傷が二つ,②頭 の右側から首,顔面にかけて,(a)頭の右側の刺し傷と切り傷,(b)頭の右 側から首,そして顔面右にかけての刺し傷と切り傷,(c)首の右側の刺し傷 と切り傷,③首の前側の刺し傷があり,いずれも刃の刺し入れが複数回ある ものである。①の首の左側の刺し傷の一つは,身体の内部にのどぼとけの骨 を傷つけるなどの多数の傷を生じさせている。②の(a)から(c)までの刺し 傷と切り傷は,致命傷となったものであって,右内頸動脈を完全に断裂した 上,右甲状軟骨を切断したり,頸椎に切り傷の痕を残したりするものである。 ③の首の前の部分の刺し傷は気管損傷を生じさせているものである。 これらの死因に関わる傷以外にも,主な傷だけでも,④後頭部には,頭蓋 骨内に包丁の刃先から欠けた金属片が埋没する刺し傷と切り傷,⑤背の上部 左には,左胸の内部へ貫通して肺の上端部分に達する刺し傷,⑥背の上部右 には,右胸の内部へ貫通して右胸膜の後面から右肺の後面に達する刺し傷が ある。 2 Cに対する殺意の有無について (1) 上記1に認定した凶器の形状,傷の位置及び程度によれば,被告人は,殺 傷能力の高い本件各包丁を用いて,Cの頭,首,背という生命維持に重要な 部分を,集中的に多数回にわたり,相当強く突き刺したり,切りつけたりし, いわばめった刺しにしたことが認められる。こ
主文(判決文より)
被告人を懲役30年に処する。 未決勾留日数中280日をその刑に算入する。 押収してある文化包丁2丁(平成22年押第89号の2及び4)を没収す る。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。