損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所さいたま地方裁判所
事件番号平成22(ワ)1274
判決日2011-01-26
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) プライバシー侵害による不法行為が成立するか
(2) 名誉毀損による不法行為が成立するか
(3) 被告に不当利得が生じているか
(4) 消滅時効が成立するか
4 争点に対する当事者の主張
(1) 争点(1)(プライバシー侵害による不法行為が成立するか)について
(原告の主張)
本件各雑誌に原告の実名をそのまま掲載した被告の行為(本件各掲載行為)
は,以下の理由から,原告のプライバシー権を侵害する不法行為を構成する
ものであるから,被告は原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料として50
万円を支払う義務がある。
ア 別件各判決文は,未公開の判決文であったが,被告が本件各雑誌で公開
したことにより,原告の実名も含め公然知られる判決文となった。
ところで,氏名は個人情報の最たるものであり,かつ,実名の掲載その
ものには公益性はないから,本人の承諾を得ないまま実名を無断で掲載す
ることは許されないものというべきであり,原告はこのことによって精神
的苦痛を被った。
また,本件各掲載行為の結果,原告が元勤務先の会社を訴えた事実,敗
訴率95%の屈辱的結果の事実,その他の原告の個人情報が詳細に公然知
られるようになった。
原告が元勤務先の会社を相手として別件訴訟を提起したことは知られた
くない情報であり,これが知人ないし友人に知られることが予想できる状
況に置かれたことにより,また,原告の氏名が全国の不特定多数の者に対
し知られることとなり,かつ,このことが将来にわたって半永久的に排除
できない状況に置かれたことによって,原告は精神的苦痛を被った。
イ 本件各掲載行為の後,原告は無言電話等の嫌がらせ電話,原告のホーム
ページの掲示板への度重なる不正アクセスないし不正書込み,税務署から
の不審な税務調査等を受け,中には暴力団らしい者からの電話や,深夜の
無言電話もなされている。原告は,今後も不測の事態が継続するのではな
いか,さらに拡大するのではないかなどの不安に怯えているのであり,こ
れらも本件各掲載行為によるものであり,このことによる精神的苦痛を被
った。
ウ なお,原告が自己のホームページに別件各判決文を紹介した時期があっ
たが,これは被告による本件各掲載行為とは以下の点で全く実態の異なる
ものである。
(ア) 原告による公開は,自分自身の情報であるからプライバシー侵害には
該当しないが,被告による公開は原告の情報について許可を得ずに行っ
たものであるからプライバシー侵害に該当する。
(イ) 原告が公開したのは被告による本件各掲載行為よりも後のことであ
る。仮に公開の順序が逆であるとしても,被告による公開は被害を拡大
する行為であり弁解の余地はない。
(ウ) 原告による公開は責任負担が自分自身に存在し,第三者に迷惑をかけ
ることはないが,被告による公開は責任

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。