事件の基本情報
| 裁判所 | さいたま地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(行ウ)8 |
| 判決日 | 2011-05-18 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法247条、刑事訴訟法260条、刑法248条、民事訴訟法61条、行政事件訴訟法3条2項、行政事件訴訟法7条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本案前の争点として,本件告訴状の不受理が取消訴訟の対象と なる行政処分に当たるか否か,本案の争点として,本件告訴状の不受理の適法性 である。 1 本案前の争点(本件告訴状の不受理が取消訴訟の対象となる行政処分に当た るか否か)について (原告の主張) 公訴は,検察官が行うものであり(刑事訴訟法247条),告訴は,捜査機 関に犯罪捜査の端緒を与え,検察官の職権発動を促すものである。刑事訴訟法 は,被害者及びその法定代理人に告訴権を認め(同法230条,231条1 項),司法警察員たる警察官は,その告訴を受理して,これを検察官に送付す る義務を負う(同法242条)。したがって,司法警察員たる警察官による告 訴状不受理は,被害者及びその法定代理人の告訴する権利を侵害し,ひいては 検察官に専属する公訴権を司法警察員に認めることとなり,刑事訴訟法の根本 構造を否定するものである。よって,この不受理は,国民の権利義務の範囲を 形成しまたはその範囲を確定する行為であるから,行政処分として抗告訴訟の 対象となる。 (被告の主張) 告訴は,捜査機関に犯罪捜査の端緒を与え,検察官の職権発動を促すものに すぎないから,被害者又は告訴人が捜査又は公訴提起によって受ける利益は, 公益上の見地に立って行われる捜査又は公訴の提起によって反射的にもたらさ れる事実上の利益にすぎず,法律上保護された利益ではないというべきである。 したがって,告訴状の不受理は,国民の権利義務の範囲を形成し,又はその 範囲を具体的に確定する行為とはいえないから,行政処分には当たらず,抗告 訴訟の対象となりえない。よって,本件訴えは不適法である。 2 本案の争点(本件告訴状の不受理の適法性)について (原告の主張) 刑事訴訟法は,被害者及びその法定代理人に告訴権を認め(同法230条, 231条1項),司法警察員たる警察官は,その告訴を受理して,これを検察 官に送付する義務を負う(同法242条)。また,犯罪捜査規範63条1項は, 「司法警察員たる警察官は,告訴,告発または自首をする者があったときは, 管轄区域内の事件であるかどうかを問わず,この節に定めるところにより,こ れを受理しなければならない。」と規定している。 上記各規定に照らせば,告訴状の書類不備や明らかに犯罪と認められない場 合であればともかく,現場の警察官が公訴時効を理由に本件告訴状を不受理と したのは,明らかな違法行為である。 (被告の主張) 原告の主張は争う。被告の措置は適法である。
主文(判決文より)
1 本件訴えを却下する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。