事件の基本情報
| 裁判所 | さいたま地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ワ)772 |
| 判決日 | 2011-08-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、民法717条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 本件事故の態様について (原告らの主張) 本件工事において,本件塔屋の西壁面の看板のシートの除幕作業について は,本件ビル北壁面及び東壁面における作業とは異なり,壁面に設置されて いた足場が撤去されたため,縄梯子を下ろす方法により作業をする必要があ った。また,同所のシートの除幕作業については,本件ビル西側に隣接する G駅を鉄道が通過しなくなってからの短時間で完了する必要があった。そこ で,亡Aは,本件塔屋西壁面の看板を覆うシートの結び目の上に縄梯子を下 ろすことにより効率的に作業を行うため,本件塔屋西壁面の看板の真上に位 置する本件煙突の周囲にロープを張った上,縄梯子を同ロープに接続し本件 煙突の上部に渡して本件塔屋の西壁面に垂らそうとして,その準備のため, あるいは本件煙突の上部の状況を確認するために本件煙突に上った際に,誤 って本件煙突内部に転落したものと考えるのが合理的である。 (被告らの主張) 原告らが主張する本件事故の態様は,いずれも憶測に基づくものにすぎ ず,本件事故時の状況として確認できるのは亡Aが転落した際に本件煙突の 周囲にロープが巻き付けられていたという事実のみである。そして,亡Aが 本件煙突の周囲にロープを巻き付けた後,これに縄梯子を結わえ,縄梯子を 本件煙突の上部に渡して本件塔屋の西壁面に垂そうとしたのだとしても,本 件煙突北側のフリンジ(梯子)をある程度上った段階で本件煙突内部を覗き 込めば,内側が空洞であることは直ちに分かるのであるし,フリンジを数段 上がった程度で転落するとも考え難いことからすれば,本件工事との関係 で,亡Aがどのような理由で,どのような態様で本件煙突に上ったのかとい うことについては何ら明らかではないといわざるを得ない。そして,事故の 具体的な態様が特定されていない以上,被告らの責任を問擬することはでき ないというべきである。 被告Y1の責任 (原告らの主張) ア 工作物責任 本件煙突は,上部に上がるための梯子が備え付けられている一方,上部 が開口されたままとなっており,その構造上,本件煙突内部に転落すれば, 致命傷を免れない危険性を有する工作物であった。また,本件煙突のある 本件塔屋の屋上は人の立ち入りが予定されており,本件工事のように夜間 に人が立ち入ることも想定されていた。しかしながら,本件煙突について は,転落防止措置が施されておらず,かつ,外形上煙突であるとは認識し 難い形状であるにもかかわらず,煙突内部に落下する危険があることにつ いての表示もされていなかった。 したがって,本件煙突の設置又は保存に瑕疵があるから,被告Y1は, 本件煙突の占有者として,民法717条1項に基づき,亡A及び原告らに 生じた損害を賠償する責任を負う。 イ 一般不法行為責任 本件煙
主文(判決文より)
1 被告らは,原告X1に対し,連帯して,1747万0089円及びこれ に対する平成18年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員 を支払え。 2 被告らは,原告X2に対し,連帯して873万5044円及びこれに対 する平成18年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支 払え。 3 被告らは,原告X3に対し,連帯して873万5044円及びこれに対 する平成18年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支 払え。 4 原告らのその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用はこれを5分し,その2を原告らの,その余を被告らの負担と する。 6 本判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。