傷害致死被告事件

事件の基本情報

裁判所さいたま地方裁判所
事件番号平成23(わ)1721
判決日2012-07-17
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
弁護人は,本件公訴事実のうち,Aに対して,背後から両脇を両手で抱えてA
を持ち上げ,その両手を放して同人を畳の上に落としたとされる行為(以下「第
1行為」という。)については,リハビリを行っていただけであり,右脇及びで
ん部を抱えて持ち上げたAをクッションの上に放り投げたとされる行為(以下
「第2行為」という。)については,ごろんと横にしただけであり,いずれも暴
行ではなく,また暴行の故意もないため,無罪である旨主張し,被告人もこれに
沿う供述をする。
2 証拠によって認定できる事実
(1) 前提となる事実
関係証拠によれば,以下の事実が認められる。
ア 被告人とその妻であるCの長男であるAは,生後間もなく2度にわたって
慢性硬膜下血腫を発症して手術を受けたが,脳が萎縮する状態となり,脳と
硬膜を結ぶ架橋静脈が萎縮した脳に引っ張られて切れやすい状態にあり,頭
部への衝撃や揺れによって生命を脅かされる危険性が高かった。このため,
Aの各退院時(平成14年10月及び平成15年3月)に,医師から被告人
及びCに,Aが脳萎縮を来していること,頭部に強い衝撃を与えないよう注
意することなどの説明がされた。
イ Aは,前記脳萎縮の影響により最重度の知的障害と四肢体幹の重い機能障
害となり,理学療法士によるリハビリを受けていたが,脳萎縮に対する配慮
から頭部への衝撃や揺れには注意が払われていた。本件当時,Aは,介助な
しで立位を保持することは難しく,気分次第で急に膝の力を抜くなどして,
いつ体勢が崩れるか分からない状態であった。
ウ 被告人は,かねてから時折自宅でAにリハビリを行っていたところ,平成
23年7月16日午後10時過ぎにも,被告人方の1階和室内でAに対する
リハビリを開始した。Aは,このリハビリ直後急に容態が悪化し,病院に救
急搬送された後の翌17日午前3時18分頃,急性硬膜下血腫により死亡し
た。
(2) 被告人の行為
ア 被告人の捜査段階の供述の概要
被告人は,本件暴行に関し,捜査段階において,前記(1)ウのとおりAの
リハビリを始め,同日午後10時30分頃,Aの両脇を抱えて同人の足の裏
が畳に付くくらいの高さまで持ち上げて両手を放し,その結果,Aはそのま
ま畳に尻餅をついて前のめりになったこと,その後,泣きやまないAをクッ
ションに戻すことにし,立ち上がりながらAの右脇とでん部を持ち上げた両
腕を右に振り,被告人が中腰になった状態で少し離れた場所にあるクッショ
ン目掛けて手を放してAを落としたこと,このようなことを行ったのは妻や
Aへの些細ないらだちがあったからであることなどを供述している。
イ 前記アの供述の信用性の検討
被告人は,本件直後の同月17日未明に,本件暴行を認める趣旨の上申書
(乙10)を作成しているところ,本件暴行を目撃した者

主文(判決文より)

被告人を懲役2年に処する。
未決勾留日数中120日をその刑に算入する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。