保護責任者遺棄致死被告事件

事件の基本情報

裁判所さいたま地方裁判所
事件番号令和2(わ)365
判決日2022-02-24
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点等について
1 本件では,①被害児が,遅くとも平成29年12月上旬頃には重度
の低栄養状態等により,その生存のため医師による診察等適切な医療
措置を受ける保護を必要とする状況(以下「本件要保護状況」という。)
にあり,その保護を受けられなかったことにより死亡したといえるか,
②被告人らがそれぞれ①の本件要保護状況を認識し,共謀した上でそ
の保護をしなかったといえるか,が中心的に争われたので,以下これ
らに即して,判示「罪となるべき事実」等を認定した理由を補足して
説明する。なお,以下,月日は,特段の記載がない限り,いずれも平成
29年である。
2 前提事実
争点を判断するに当たって,以下の各事実は証拠によって認定でき,
これらについては,当事者間にも概ね争いはない。
被告人Aは,12月21日午後5時30分頃,自宅で被害児の異
変に気付き,外出していた被告人Bに電話した後,被害児を埼玉県
北足立郡所在の a 病院に連れて行った。被告人Aは,同病院に午後
6時55分頃到着したが,その時点で被害児は心肺停止状態で,体
温が測定不能なほど身体が冷たくなっていた(甲55)。
同病院の小児科医である証人D(以下「D医師」という。)が被害
児の処置をしたが,心停止後一定時間を経過しており,間もなく被
害児の死亡を確認した。D医師は,その頃,被害児の血液検査(以
下「本件血液検査」という。甲47添付の検査結果照会参照)を行
った。
12月22日,解剖医である証人E(以下「E医師」という。)が
被害児の司法解剖を行った。
証人F(以下「F医師」という。)と証人G(以下「G医師」とい
う。)はいずれも小児科医,証人H(以下「H医師」という。)は整形
外科医,証人I(以下「I医師」という。)は救急医であるところ,
いずれの証人も,前記司法解剖の結果と本件血液検査の結果を踏ま
え,公判廷において,専門家として意見を述べた。
第2 争点①(要保護状況の有無等)について
1 弁護人は,被害児の直接の死因については争っていないが,低栄養
状態が死因に及ぼす影響については争っていると考えられるので,ま
ず,被害児の死因を特定した上(後記2)で,本件要保護状況にあっ
たといえるか(後記3)につき,検討する。
2 被害児の死因について
E医師は,被害児について,①死亡時の身長体重が発育曲線の正常
の範囲を逸脱しており,本件血液検査の結果によると,血中の総蛋白
やアルブミンの数値が低く,尿素窒素の数値が高いこと等から,脱水
を伴う低栄養状態にあったと認められること,②体重や臓器の萎縮度
合い,皮下脂肪の存在等から,低栄養のみで餓死したとはいえないこ
と,③a 病院搬送時及び警察での検視時の体温が死亡からの時間経過
に照らして著しく低く,横紋筋の融解,死戦期のすい炎等の所見から,
低体温

主文(判決文より)

被告人両名をそれぞれ懲役7年に処する。
被告人らに対し,未決勾留日数中各520日を,それぞれその刑
に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。