国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所さいたま地方裁判所
事件番号平成30(ワ)2193
判決日2022-04-15
分類行政
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、埼玉県警がL事件の発生後、原告及びBらを含む地域住民に
対して、必要な犯罪情報を提供する職務上の注意義務を怠った(本件不作為)
違法があるか(争点1)、埼玉県警の本件不作為と本件事件(Bらの死亡)との
因果関係の有無(争点2)、被告が賠償すべき原告の損害額(争点3)である。
争点1については、埼玉県警は、9月15日正午までに、住民に対し、L事
件の発生及び犯人未逮捕の情報のみならず、同月13日に外国人(A)が熊谷
署から逃走した事実及び当該外国人が住居侵入事件を惹起した事実とともに、
戸締りの徹底や外出の自粛等を促す内容の情報提供をする法的義務があったか
否かが争われており、その前提として、9月15日正午までに、埼玉県警がL
事件の犯人がAであると特定できたか否か及び同種犯罪が繰り返されることを
認識できたか否かが問題とされている。
争点2では、原告は、埼玉県警の上記の情報提供によって、本件事件の被害
を回避できる高度の蓋然性がないとしても、相当程度の可能性があったと主張
して、これを予備的請求原因としている。
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点1(埼玉県警の義務違反)について
(原告の主張)
ア 埼玉県警が行うべき広報の内容及び方法
判断枠組み
警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予
防のため関係者に必要な警告を発することができる(警察官職務執行法
(以下「警職法」という。)5条)。この警告を発するか否か、どのよ
うな内容・方法で警告を発するかについては、一定の範囲内で警察官に
裁量が与えられているが、犯罪等の加害行為がまさに行われ又は行われ
る具体的な危険が切迫しており(危険の切迫性)、警察官においてその
ような状況であることを知り又は容易に知ることができ(危険の切迫性
の認識可能性)、警察が前記危険を除去するため警察権を行使すること
によって加害行為の結果を回避することが可能であり(結果回避可能性)、
かつ、その行使が容易であるような場合(権限行使の容易性)には、警
察官に必要な警告(情報提供)を発する義務が生じるというべきである。
主位的主張
次のイからオまでで述べるところによれば、埼玉県警は、遅くとも9
月15日正午の時点で、原告(なお、原告は、被告が法的義務を負う相
手を原告としているが、その趣旨は、原告のみならず、家族であるBら
を含めるものと解する。)に対し、①同月14日に強盗殺人事件(L事件)
が起き、夫婦が殺害されたこと、②その発生の前日、住居侵入事件(I
方)の通報を受けた外国人が熊谷署に任意同行されたが逃走を許し、行
方不明であること、③その直後に付近で各侵入事件が発生し、逃走した
外国人が犯人である可能性が高いこと、④その外国人が強盗殺人事件(L
事件)の参考人として全国に手配され、犯人であ

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。