傷害致死

事件の基本情報

裁判所さいたま地方裁判所
事件番号令和6(わ)1045
判決日2025-11-18
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法205条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
弁護人は、被告人は、被害者の頬を両手で叩き、足で腰を踏みつけただけであって、
後頭部及び背部を足で踏みつける暴行をしたことはないし、暴行と死亡結果との間の
因果関係も認められないから、傷害致死罪は成立しない旨主張する。
2 前提事実
被告人の父及び被告人の供述等の証拠によれば、以下の事実が認められる。
被害者は、本件当日、午後 3 時頃まで、昼食の支度をし、1 階8 畳和室で布団を片
付けるなどしていた。午後 3 時頃、同室において、被告人が被害者が借金返済のため
の費用を用立てられなかったことを追及したことから口論となり、被告人が被害者に
頬を平手打ちするなどの暴行を加え、被害者は、午後 3 時 16 分、意識がなく、脈拍
がとれない状態となった。被告人の父が119番通報をし、救急隊が現場に到着した午
後 3 時 24 分には、被害者は、心肺機能停止状態となり、その後、搬送先の病院で後
頭部打撲による頭蓋内損傷により死亡した。
被害者が約 15 分間に急激に意識を失い心肺停止状態に陥った経過からすれば、被
告人と被害者が口論となった午後 3 時頃から 16 分頃までの間に被害者が後頭部打撲
を負った可能性が強く疑われるが、それ以前に同傷害が生じていた可能性も残り、被
害者の死因となった後頭部打撲による頭蓋内損傷の発生時期及び死亡に至る機序が
問題となることから、まず、被害者の司法解剖の結果を検討する。
3 被害者の傷害及び死因
令和 6 年 8 月 7 日に被害者の遺体の司法解剖を行った医師は、次のとおり説明し
た。その認定や判断を否定すべき事情はない。
被害者の死因は後頭部打撲による頭蓋内損傷であり、後頭部右下端に致命傷となっ
た打撲傷が認められる。被害者の頭蓋内には、硬膜下血腫、くも膜下出血、脳実質内
の出血が認められる。首のうなじの奥にある筋肉(右肩甲挙筋)の筋腹に薄層の出血
が認められることから、首に筋肉が不自然な伸び縮み(過伸展)をするような力が加
わったことが示唆される。以上から、被害者の後頭部に強い衝撃が加わったと考えら
れる。
被害者の脳幹には腫脹が見られ、脳幹に外力が加わって障害が生じたことが示唆さ
れる。脳幹は、呼吸や循環等の生命維持の機能を有し、強い衝撃が加わると、短時間
で呼吸停止や心肺停止が起こる可能性があり、被害者に急激な呼吸停止が生じたこと
や、他に急激な呼吸停止が起こる原因は見当たらないことから、被害者の脳幹に強い
衝撃が加わったと考えられる。
また、上背部左端に打撲傷と左肩甲骨骨折が認められ、骨折線がシャープであるこ
とや出血の周囲の形態の変化が乏しいこと等からすれば、それほど時間の経っていな
い骨折と判断される。
後頭部の皮下出血と肩甲骨周囲の皮下出血は、色調や形態の変化に大きな差がない
ことから、隔たらない時期に

主文(判決文より)

被告人を懲役8 年に処する。
未決勾留日数中300日を刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。