国家賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和2(ネ)1423
判決日2021-09-22
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法32条、行政事件訴訟法14条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は,原判決
30頁(別紙)24行目の「退去強制を受ける者」の次に「(以下「被退去強制者」
という。)」を付加し,当審における当事者の補充主張を後記3のとおり付加する
ほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要等」2から5までに
記載のとおりであるから,これを引用する。
3 当事者の当審における補充主張
⑴ 控訴人らの補充主張
ア 控訴人らは,国外に送還されればもはや難民不認定処分の取消を求める訴
訟について訴訟要件を満たさないことになり,裁判を受けることができなく
なる。それにもかかわらず,そのような結果が生ずることをもって,入管法
52条3項に基づく退令の速やかな執行・送還の要請が制限されるという法
令上の根拠は見出しがたいとする原判決は,裁判を受ける権利を保障する憲
法32条や国際法よりも下位規範である法律(入管法)を優先するもので,
国内法秩序を無視するものである。憲法32条で保障され,行政事件訴訟法
14条により6か月間検討の機会を与えられている裁判で争う権利の行使
が,入管法52条3項の運用方針に劣後する理由はない。
原判決は,「取消訴訟の出訴期間中は強制送還を差し控えるべき注意義務
があったとまではいえない」とするが,控訴人らは,出訴期間内の送還を一
律に問題としているのではなく,控訴人らには出訴意思が明らかに認められ
たにもかかわらず,即時に(異議申立棄却決定の告知から24時間も経たな
いうちに)送還されたことの違法性を主張するものである。集団送還の必要
性があり,控訴人らの逃亡を防ぐ必要があるとしても,異議申立棄却決定告
知後に直ちに入管に収容することでこれを防ぐこともできるのであり,控訴
人らを直ちに送還する必要性・合理性はない。
イ 控訴人らに対する本件送還は,以下のとおり,控訴人らの訴訟提起の機会
を積極的に奪う意図を持ってされたものであり,控訴人らに対する手続保障
をないがしろにするもので違法である。
控訴人らは,平成26年12月17日に仮放免許可の更新のために東京
入管を訪れたところ,いずれも同日,仮放免不許可が通知されて同入管に
再収容され,本件各異議申立棄却決定が告知され,翌日18日の午前5時
43分に送還されており,控訴人Aにおいては,本件異議申立棄却決定
の告知から18時間足らず,控訴人Bにおいては,本件異議申立棄却決定
告知から15時間足らずの時間的猶予しか与えられずに送還されて
いるのであり,本件送還により,控訴人らは,訴訟提起の機会はもちろん
のこと,訴訟提起の検討の機会すら奪われた。
控訴人らは,いずれも本件各異議申立棄却決定が出された後,平成26
年12月17日より前に仮放免許可更新のために東京入管を訪れており,
入管職員はその機会に本件各異議申立棄却決定を告知することが

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
被控訴人は,控訴人Aに対し,30万円及びこれに対する平成26年12月
18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
被控訴人は,控訴人Bに対し,30万円及びこれに対する平成26年12月
18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを50分し,その3を被控訴人の負担と
し,その余を控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。