事件の基本情報
| 裁判所 | 横浜地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(行ウ)12 |
| 判決日 | 2011-10-13 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)について ア 原告 (ア) Aは,死亡時,腹臥位で顔は下向きにまっすぐベッドに向けられて いたところ,喘息の重症発作を起こした患者は,呼吸困難となり,少し でも空気を吸い込もうとし,呼吸を容易にする姿勢をとるはずであるか ら,その姿勢は,喘息発作による窒息によって死亡した状況と異なって いる。また,Aの解剖所見によっても,主気管支の完全閉塞の所見はな く,気管支喘息の重症発作によって死亡した場合の組織学的所見である 杯細胞の過形成,基底膜の肥厚などの所見は認められていない。そして, 心臓死と矛盾する所見は存在しない。 前記1(4)記載のAの既往症からすれば,Aは,喘息発作に引き続き 期外収縮により致死性の心室細動が引き起こされて死亡したものと認め られる。 (イ) Aの勤務体制は,前記1(3)のとおりであって,Aが26年間もの 間,拘束されてきた24時間拘束2交代制の過重性は明らかであり,そ のような勤務体制の中で長年従事してきた消防職員・救急隊員の通常業 務の過重性,それによる生理的,肉体的負担,慢性的な蓄積疲労,身体 への悪影響等は顕著である。 (ウ) Aは,平成14年2月24日以後は大きな喘息発作を起こしていな かったが,前勤務署であるX3消防署及び死亡当時の勤務署であるX2 出張所の署内外の車両による排気ガスにさらされた環境や過重な公務の 中で,大きな負荷が加われば喘息発作が起こり得る状況にあった。 そして,Aは,平成▲年▲月▲日午後4時ころ,横浜市α区β町の急 病出場を担当した。この急病出場は同日午後4時14分から午後5時ま での間に行われたが,傷病者の自宅が長い階段上のさらに細い道の奥に 位置していたため,約80キログラムの重い傷病者を他の救急隊員らと 3人がかりで重さ約9キログラムのスクープストレッチャーから落とさ ないように気を付け,階段を踏み外すなどして転倒しないように注意し て,階段下に停車させた救急車までの道のりを運ばなければならず,A に著しく緊張を強い,体力を消耗させる重労働となった。 そのため,Aは,その搬送を終えた後,X2出張所への帰途において 喘鳴が出るようになり,前記1(5)のとおり,死亡した。 (エ) Aの突然死は,発症当日の大きな負荷によるものであると同時に, それまでの過重な労働が基礎となって現れたものであり,心室細動のき っかけとなった喘息発作自体が過重な業務と悪環境によるものであって, 公務起因性がある。 仮にAの死亡が喘息の重症発作によるものであるとしても,1度しか なかった重症発作が繰り返されたのは発症当日の業務の大きな負荷によ るものであり,また,喘息の増悪は,過重な労働,排気ガスについての 劣悪な環境によるものであって,Aの喘息の増悪,その中での死亡は, 公務起因性がある。 イ 被告 (ア) 地方
主文(判決文より)
1 処分行政庁が平成18年8月24日付けで原告に対してした,亡A の被った災害を公務外の災害と認定した処分を取り消す。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。