事件の基本情報
| 裁判所 | 横浜地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(わ)280 |
| 判決日 | 2012-10-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 決定 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法21条、刑法39条2項、刑法199条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点である。当裁判所は,以下の理由に基づいて,本件犯 行当時,被告人は,善悪を判断し,これに従って行動をコントロールする能力 が著しく減退していたが,失われてはいなかったと判断した。 1 被告人の精神状態 被告人の捜査段階の精神鑑定を担当したE医師の証言及び同人作成の精神 鑑定書(甲2),捜査報告書(甲9)等によれば,被告人は,本件犯行当時, 妄想型統合失調症に罹患し,反社会性パーソナリティ障害を有しており,妄 想型統合失調症による誇大的で奇異な妄想(キリストである自分(被告人は, 自分がキリストでありかつ天皇であるとの血統妄想を有しているが,殺害の 関係ではキリストと称していることが多いように窺われる。)は,将来第三 次世界大戦の際に大勢の人が死ぬので,率先して「害人」を殺すべきである などというもの)を抱いていたが,妄想以外の統合失調症の精神症状は千葉 事件当時よりも改善していたこと,千葉事件以降に行われた治療の効果によ り,本件犯行当時,被告人は,前記の精神病等ではあったが,現実を正しく 見て検討する力がそれなりにあり,その場にあった行動がとれるようになっ ていたことが認められ,これらによれば,妄想による支配力も千葉事件当時 より弱まっていたということができる。 2 本件犯行の動機 被告人の捜査段階及び公判での供述等によれば,本件犯行動機は,前記のとお - 2 - り,被告人が抱いていた自分がキリストであり「害人」は殺すべきだという妄想 に基づくものと認められる一方,もう一度殺人事件を起こし,警察に捕まること で病院から出たいということがあったことも認められる。前者の動機が了解不能 であることは明らかであるが,後者についても,キリストであり天皇である自分 が「害人」と同じ病院に入院させられていることに耐えられないという意味もあ って,被告人の前記妄想に影響されている面があり,その点では了解不能といわ ざるを得ない。もっとも,被告人は,本件犯行の2日前に,鑑定入院先であるF 病院から退院できると考えていたにもかかわらず,転院当日である11月1日に なってからBセンターへの入院を知らされたものであり,落胆や憤りの感情によ って病院から出たいと考えた蓋然性があることや,たばこを自由に吸いたかった とか残りの所持金の額が少ないので早く出たかった旨述べていることなどに照ら して,現実的欲求に基づく動機と考えられる面もある。病院から出たいという欲 求から殺人を犯すという発想には飛躍があるものの,病院より刑務所の方が良い として,殺害すれば警察に通報され,刑事手続に乗る,そうすれば病院からは出 られる旨の考え方はそれなりに筋が通っており,前記の感情や現実的欲求に基づ く動機は了解不能とまではいえない。しかし,全体としては,被告人の本件犯 行動機は了解が不能な面
主文(判決文より)
被告人を懲役10年に処する。 未決勾留日数中160日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。