保有個人情報一部不開示決定処分取消等請求事件

事件の基本情報

裁判所横浜地方裁判所
事件番号平成23(行ウ)81
判決日2012-12-05
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件不開示部分1ないし26の不開示情報該当性であり,こ
れに関する当事者の主張は次のとおりである。
(被告の主張)
(1) 本件各不開示部分に含まれる情報の概要
本件不開示部分1は本件事故の発生状況を図示した図面,同2は本件移動
式クレーンの性能に関する書面,同3ないし5はいずれも本件移動式クレー
ンの仕様等に関する書面,同6及び7は本件移動式クレーンの法定検査に関
する書面,同8は本件移動式クレーンの車両検査に関する書面及び自動車運
転免許に関する書面,同9及び10は本件移動式クレーンの法定検査に関す
る書面,同11は本件ナイロンスリングの仕様等に関する書面である。
また,同12ないし26はいずれも,本件調査担当者が撮影した,本件工
事現場,本件構造用合板,本件ナイロンスリング,本件移動式クレーン及び
本件事故当時に亡Aが着用していた保護帽の写真及びその説明である。
(2) 法14条7号該当性(本件各不開示部分の全て)
ア 本件不開示部分1ないし11の作成又は資料の入手,本件不開示部分1
2ないし26の写真撮影に際しては,関係者の任意の協力が不可欠である
ところ,関係者が情報提供等に協力した事実,関係者が提供した情報や関
係者の協力の下に行った調査の結果得られた事実が第三者に公開されると,
経験則上,関係者が,不利益な情報を提供された者からの報復,被災者ら
からの責任追及,取引関係の障害となることなどを懸念して,災害調査に
任意に協力しない事態になって,災害調査の迅速かつ実効的な実施に支障
が生じ,災害調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
原告は,労働安全衛生法91条,94条に基づく権限の行使や120条
4号の刑事罰による災害調査への協力の間接的な強制が可能であることを
(cid:1) (cid:5)
もって,本件各不開示部分を開示しても災害調査に実質的な支障が生じな
いと主張する。しかしながら,労働基準監督官等は,事業者等の関係者が
立入りを拒んだ場合には実力をもって立ち入ることはできないと解されて
おり(同法91条4項参照),関係者には労働基準監督官等の質問に対す
る一般的な説明義務は課されておらず,労働基準監督官等には帳簿,書類
等の物件を押収する権限が付与されていない。そのため,労働基準監督官
等は,同法91条及び94条の規定によっても,強制力をもって災害調査
を実施することはできない。また,刑事罰の威嚇をもって間接的に関係者
の協力を強制するといった調査手法は,相手方に無用な警戒心を抱かせ,
かえって任意の協力を得ることを困難にしかねない。したがって,上記各
規定があることをもって,災害調査に関し関係者からの任意かつ積極的な
協力がなくても災害調査に実質的な支障が生じないとはいえない。
イ また,本件各不開示部分が開示される

主文(判決文より)

1 本件訴えのうち,別紙個人情報目録記載の情報の開示決定を求
める部分を却下する。
2 神奈川労働局長が,原告に対し,平成23年8月1日付けでし
た保有個人情報部分開示決定(ただし,平成24年5月22日付
けで変更された後のもの。)のうち,別紙不開示情報目録記載の
情報を不開示とした部分は,別紙個人情報目録記載の部分を除き,
これを取り消す。
3 神奈川労働局長は,原告に対し,前項の取消しに係る部分の情
報の開示決定をせよ。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用は,これを5分し,その1を原告の負担とし,その余
を被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。