傷害致死,死体遺棄被告事件

事件の基本情報

裁判所横浜地方裁判所
事件番号平成25(わ)918
判決日2014-06-20
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
第1 争点と当裁判所の判断
- 1 -
弁護人は,被告人は,Bの頭部に冠状縫合の離開を生じさせるような暴行は
行っておらず,Bが被告人の暴行により死亡したとするには疑いが残ると主張
している。
当裁判所は,被告人の暴行によりBの冠状縫合に離開が生じるとともに頭蓋
内損傷が引き起こされてBが死亡した,と認定したので,以下その理由を説明
する。
第2 事実経過について
1 本件公訴事実とA証言の信用性について
まず,検察官の主張の根拠となる証拠について検討する。
本件公訴事実は,被告人がBの「頭部付近を背後から足で蹴って同人の頭部
を浴槽の壁に打ち付ける」暴行を加え,よって同人を頭蓋内損傷により死亡さ
せた,というものであり,検察官は,その根拠として,Aの「被告人が,左肩
を下にして浴室の床に横たわっていたBの後頭部を右足の裏で踏み付けるよう
にして蹴ったのを見た。」との証言が信用できると主張している。
しかしながら,当裁判所は,この証言を信用することはできない。その理由
は,以下のとおりである。
Aは,「被告人がBの後頭部を蹴った際,Bの頭部は浴室の中央部付近に
あり,Bの足は曲がっていたが浴室の壁についてはいなかった。」と証言し
ている。しかしながら,浴室の幅が110センチメートルであるのに対し,
Bの身長は92センチメートルであったから,Bの頭部が浴室の中央部にあ
ったとすれば,Bの足が浴室の壁に突き当たり,極めて無理な体勢となるこ
とは明らかである。Aは,当公判廷において,その目撃した状況を図面に書
き込んでいるが,その図面上のBは極端に小さく描かれており,現実の寸法
と大きくかけ離れたものとなっている。これは,現実には,Aはそのような
状況を目撃しておらず,想像からそのような状況を述べたためにこのような
不自然な図面になったと考えざるを得ない。
- 2 -
しかも,Aは,捜査段階の当初,上記のような供述を行っていない。Aは,
捜査段階の当初,「被告人がリビングの壁にBの頭部を打ち付けていた。」
と供述していたが,その後,「これまで述べてきたことは嘘です。本当のこ
とを話します。」と言ってその供述を変更し,「被告人が左足の甲でBの側
頭部を蹴り,その後頭部を浴室の洗い場の右角辺りに打ち付けた。」と述べ
ている。そして,その後再び供述が変更して証言内容どおりの供述になった
というのであるが,その理由として,「混乱していて事実と異なる供述をし
てしまったが,その後,傷害致死事件の取調べを受ける中で,警察官がB役
をしながら犯行再現をするのを見て思い出した。」などと証言している。し
かしながら,Aが,当公判廷において「やりすぎなんだよ。ばか。」と叫ん
だと表現するほど強烈な被告人の暴行を実際に見ていたとすれば,仮に混乱
していたとしてもAの

主文(判決文より)

被告人を懲役8年に処する。
未決勾留日数中200日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。