損害賠償請求

事件の基本情報

裁判所横浜地方裁判所 横須賀支部
事件番号平成26(ワ)47
判決日2020-05-25
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
被害者の死亡時刻及び死因(争点1)
被告Aの債務不履行責任ないし不法行為責任の有無(争点2)
被告横須賀市は被告Aに対する家庭保育福祉員としての指導等を怠ったか,
またそれが国家賠償法1条1項の適用上違法となるか(争点3)
損害額(争点4)
3 争点に対する当事者の主張
争点1(被害者の死亡推定時刻及び死因)について
(原告の主張)
ア 被害者の死亡時刻
被害者の死亡時刻は,本件事故発生日の午後1時から午後2時までの間
である。
イ 被害者の死因
被害者の死因は,吐乳吸引による窒息死である。
(被告Aの主張)
ア 原告の主張ア(被害者の死亡時刻)は,否認する。
一般に死後経過時間の推定には,①体温の変化,②角膜の混濁,③死後
硬直,④死斑などの現象が用いられるが,前記②ないし④については数時
間の幅をもって推定できるに過ぎない。そして,体温は様々な要因によっ
て大きく変化するものである上,0.5℃又は1℃異なるだけで経過時間
に1時間も差が出ること,C鑑定書に係る被害者の死体解剖は,被告Aが
被害者の異変に気付いた平成22年9月27日午後3時頃から30時間
以上経過した同月29日に実施されたものであり(甲6),被害者の体温は
既に環境温と等しくなっていたと考えられること等に照らせば,①の体温
変化によって,正確な経過時間を推定することは不可能であったというべ
きである。
そして,被告Aが,平成22年9月27日午後2時50分に被害者の様
子を目視した際には,被害者には何らの異常もなかったが,その後,同日
午後3時頃に被害者を目視した際に,被害者の顔色が白く,鼻水のような
ものが出ているのを発見した。被告Aが,ベビーラックのベルトを外して
被害者を抱き上げ,被害者の名前を呼んだが,反応がなく,胸部に上下動
がなかったため,その時点では被害者の呼吸は停止していたと考えられる。
したがって,被害者の死亡時刻は,同日午後2時50分から午後3時ま
での間である。
イ 原告の主張イ(被害者の死因)は,否認する。
C鑑定書の主要所見は,乳幼児突然死症候群(以下「SIDS」とい
う。)による死亡の場合にもみられるものであり,被害者の死因はSID
Sであった可能性がある。吐乳吸引による窒息死という判断をするため
には,気管支内にどの程度のミルクが侵入したかという検討が必要不可
欠であるが,C鑑定書は,これを考慮しないで細気管支内に少量の凝固
ミルクが認められたことをもって,窒息死と結論付けており,妥当では
ない。
D鑑定書の指摘も,少量の異物の混入によってもマクロファージは出
現することからすれば,溢乳等によって気管支内部にミルクが混入した
としても同様の反応は生じるのであって,被害者の死因が吐乳による窒
息死であることの裏付けとはならない。D鑑定書にみられる所見は,S

主文(判決文より)

1 被告らは,原告に対し,連帯して,5256万9717円及びこれに対する
平成22年9月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,これを4分し,その3を被告らの負担とし,その余を原告の負
担とする。
4 この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。