国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所横浜地方裁判所
事件番号令和5(ワ)363
判決日2024-05-24
分類行政
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
⑴ 被告の義務違反の有無
ア 本件斜面を急傾斜地崩壊危険区域に指定して崩壊防止工事を施行するな
どの適切な措置を講じる義務の有無及びその違反の有無(争点1)
(原告らの主張)
行政権限の不行使であっても、その不行使が、その権限を公務員に授権し
た法の趣旨に反するに至る事情があったために他人に損害を加えた場合に
は、その権限を行使する義務を怠ったものとして違法となり、国又は公共団
体は、その損害を賠償する責に任ずるものと解するべきである。
本件斜面は、道路からマンション1階地面部分までの高さが15.9メー
トル、擁壁部分の高さが8.2メートル、角度80度、擁壁上端部からマン
ション1階地面部分までの崖部分の高さが7.7メートル、角度60度とな
っている。本件斜面直下には、逗子市道が通り、本件斜面上部にはマンショ
ンが存在している。
そうすると、本件斜面は、傾斜角が30度以上、高さ10メートル以上の
傾斜地で、崩壊により人家密集地区で多数の家屋の倒壊等著しい被害のおそ
れがあるものとして、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(以下
「急傾斜地法」という。)3条の急傾斜地崩壊危険区域の指定基準を満たす
し、また、被害のおそれのある家屋に関し移転適地がなく、事業費が至大で
あって地元が負担することが著しく困難な場合に当たるから、同法12条の
急傾斜地崩壊防止工事の選択基準をも満たすものといえる。
そして、本件斜面は、国総研の担当者が目視で確認するだけで、脆く崩落
の危険があることを看破できる状態であったから、被告において本件斜面の
崩落の危険について予見可能であったといえる。そうすると、被告が本件斜
面を放置することは著しく不合理であるといえ、被告は本件斜面を急傾斜地
崩壊危険区域に指定し、急傾斜地崩壊防止工事を実施すべき義務を負ってい
たものといえる。
そうであるにもかかわらず、被告は上記義務を怠ったから、国家賠償法1
条1項に基づく責任を負う。
(被告の主張)
急傾斜地法3条において、急傾斜地崩壊危険区域を指定する際の要件の一
つとして「この法律の目的を達成するために必要があると認めるとき」とい
う抽象的・概括的な概念が用いられていること、「崩壊するおそれのある急
傾斜地で、その崩壊により相当数の居住者その他の者に危害が生ずるおそれ
のあるもの」など「おそれ」の有無の判断において行政庁の専門的・技術的
判断が要求されていること、同条は都道府県知事が急傾斜地崩壊危険区域を
指定することが「できる」旨規定していること、ある土地を急傾斜地崩壊危
険区域に指定し私権の制限を課すべきか否かの判断において行政庁の専門
的・技術的判断が要求されていることに鑑みれば、ある土地について急傾斜
地崩壊危険区域の指定要件に該当するか否かの判断及

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。