事件の基本情報
| 裁判所 | 横浜地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(わ)55 |
| 判決日 | 2025-06-17 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断) 1 殺意について 遺体の状況及びB教授の証言によれば、被害者の死因は首を手指により 絞められたことによる窒息死と認められる。また、B教授は、首を絞めて 窒息死させるためには、両手で左右の頸動脈を最低5分間圧迫し、閉塞さ せる必要があると証言する。 それだけの時間、人の首を両手で絞め続けることは、常識的に考えて、 通常、それを意図して行っている動作と認めることができる。 これに対して、弁護人や被告人は、被害者の殺害について記憶にないか ら、意識的にやったことではないかのような主張をする。 しかし、被告人は、捜査段階の取調べで、被害者の首を絞めた状況につ いて、順序立てて具体的に詳細に説明しており、被告人の記憶がないとの 主張は、にわかに信用し難い。 この点、被告人は捜査段階の供述は、想像で考えたストーリーを話した ものであると主張する。 しかし、B教授の証言によれば、被告人の供述した被害者の死亡までに 至る状況は、医学的所見に合致しており、想像のみでこのような正確なス トーリーを構築することはおよそ考えられない。 また、逮捕直後から、被告人が、被害者を殺害した状況につき、自ら身 振り手振りを交えて詳細に説明をしていた状況からすると、自ら体験した 事実を語っていると認められる。 以上からすると、被告人は、意識がある中で被害者の首を意図して絞め 続けたのであるから、殺意は当然に認められる。 2 責任能力について 弁護人は、被告人が、前頭葉てんかんにり患しており、その発作中に殺 害行為に及んだため、殺害当時は心神耗弱の状態にあったと主張する。 しかし、B教授およびC教授の証言によれば、てんかん発作中に上記の ように首を絞め続けることはおよそできないと考えられる。 そもそも、被告人に対しては、脳波の検査やCT・MRIなどの確定診 断のため必要な検査が行われていない上、てんかん発作とみられる症状も 過去に確認されておらず、てんかんにり患していたかも疑わしい。 よって、弁護人の主張は認められない。 (量刑の理由) 殺害行為は、仰向けの被害者に馬乗りになって、被害者が動かなくなるま で首を絞め続けたというもので非常に悪質である。遺棄行為についても、遺 棄するための道具を買い揃えて暗くなるまで待ち、手足を縛った被害者を山 中の涸れ川に投げ落とすという悪質なものである。 被告人は、双極性障害を抱える母と二人で同居する中で、亡き父の遺産相 続や生活費を巡って母と口論が増え、兄姉の協力も得られないと思い込み、 ストレスを溜め込んでいたことには一定の同情の余地がある。 しかし、母に罵倒されたとはいえ、殺害を決意して実行したことは厳しく 非難されるべきである。 それにもかかわらず、被告人は、自分が母を殺害したことについて、向き 合っておらず、十分に反省しているとはい
主文(判決文より)
被告人を懲役15年に処する。 未決勾留日数中620日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。