損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号平成21(ワ)1260
判決日2010-03-31
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
損害及び損害額
3 争点に関する当事者の主張
(1) 原告らの主張
本件事件は,被告の経営する本件塾の教室内において,講師と生徒という
関係の下で行われたものであるから,被告は使用者責任を負う。また,被告
は,Jを漫然と雇用して小学生の指導担当とした上,JのCに対する異常な
対応等があったにもかかわらずJの犯罪歴やアスペルガー障害について調査
しないなど,本件を未然に防止できる機会を逸したのであり,単なる使用者
責任にとどまらず,被告自身の過失責任も重大である。
そして,原告らに生じた損害及び損害額は,次のとおりである。
ア Cの損害及び損害額
Cに生じた損害及び損害額は次のとおりであり,Cの両親である原告ら
は,それぞれ2分の1ずつこれを相続することとなる。
(ア) 逸失利益
Cは,中学校から私学に進学し,優れた教育環境の下で大学あるいは
大学院に進学し,高度な教育を受け,高度な能力を身につけた社会人に
なることを目指しており,実際,模擬試験の成績も第1志望であるL大
学附属中学校に合格できる水準であったから,Cは,将来,立派な社会
人として相当の収入が得られることが確実であった。
- 4 -
また,Cが社会人となるのは高校卒業時でも平成24年4月であり,
そのころには賃金の男女格差がほぼ解消されていると考えられ,生活費
控除についても男女格差が縮小していると推測される。
そこで,Cの逸失利益は,基礎収入額を賃金センサス(平成19年)
による男子全平均とし,就労可能年数を18歳から67歳とし,生活費
控除率を40%として,算定すべきである。
そうすると,下記計算式のとおり,Cの逸失利益は,4512万46
96円となる。
〔計算式〕
(年収) (生活費控除)(ライプニッツ係数)
554万7200円×(1−0.4)×13.5578≒4512万4696円
(イ) 慰謝料
本件事件は,最も安全でなければならない教育現場において,児童を
誰よりも保護しなければならない教師(講師)によって,児童の信頼を
裏切ってなされた行為である。しかも,本件事件における犯行態様・結
果は,何人も正視できない無惨極まりないものであり,本人の無念は筆
舌に尽くし難い。
したがって,C本人の慰謝料としては,5000万円が相当である。
イ 原告らの損害及び損害額
原告らに生じた固有の損害及び損害額は次のとおりである。
(ア) 葬儀関係費用
本件事件は,Cの通学していた学校,本件塾の児童やその親らに大き
な衝撃を与えたため,葬祭場において営まれた通夜,葬儀には1300
人以上もの弔問見舞客があり,原告らは,葬儀費として307万140
0円を支出した。
また,原告らは,現在はCのお骨を自宅の祭壇に祀っているが,いず
- 5 -

主文(判決文より)

1 被告は,原告Aに対し,4946万6410円及びうち4446万6410
円に対する平成17年12月10日から,うち500万円に対する本判決確定
日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,4946万6410円及びうち4446万6410
円に対する平成17年12月10日から,うち500万円に対する本判決確定
日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用はこれを4分し,その1を原告らの負担とし,その余は被告の負担
とする。
5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。