発信者情報開示等請求事件

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号平成22(ワ)1728
判決日2010-10-29
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法4条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 権利侵害の明白性の有無
(原告)
本件書き込みは,A大学の准教授である原告が,自らの講義を受講してい
た女子大学院生と性的な関係を結び,教育環境を悪化させたとして,同大学
から停職1か月の懲戒処分を受けたという虚偽の情報を掲載するものであ
り,その読者をして,さも原告がそのような不適切な行為を行って停職処分
を受けたとの印象を与え,原告の社会的評価を著しく低下させるものである。
(被告)
本件書き込みは,原告の情報に関する部分とH新聞が配信した記事をコピ
ー・アンド・ペースト(貼り付け)した部分とから成るが,一般に新聞社の
ウェブサイト上に掲載された情報(被疑者が性犯罪容疑で逮捕され,その容
疑を認めているとする記事等)が電子掲示板に転載された場合には,既に公
開された当該記事により対象者の社会的評価は低下しているから,それ以上
に対象者の社会的評価を低下させるものではない。したがって,本件の懲戒
対象者が原告であれば,本件発信者は,原告の名誉を毀損したことにはなら
ないところ,原告から提出された資料のみでは,懲戒対象者が原告かどうか
判然としなかった。また,仮に原告が懲戒対象者でなかったとしても,本件
発信者は,自ら文章を作成し書き込んだものではなく,原告のプロフィール
と配信記事を貼り付けて併記したのみであり,その内容は断定的なものでは
なく憶測の域を出ないものであり,閲覧者をして,原告が懲戒処分を受けた
と直ちに理解させるようなものではない。
本件書き込みが真実でないとしても,原告のプロフィールはA大学のウェ
ブページ等で公開されたもので,「I研究科」,「30代」,「男性」及び「准
教授」の4点で配信記事の内容と合致しており,かつ,発信者には十分な調
査手段がないことから,本件発信者において当該記載内容が真実と信ずるに
つき相当な理由がある。
原告は,Cに対し,本件発信者情報の開示請求をし,その開示を受けたに
もかかわらず,送信防止措置請求(削除請求)をせず,本件書き込みを放置
していたものであり,このことからも原告の権利侵害が明らかではないこと
がうかがわれる。
(2) 発信者情報開示の正当な理由の有無
(原告)
原告は,氏名等不詳の本件発信者に対して,名誉毀損を理由として不法行
為に基づく損害賠償等を請求する予定であるが,その権利行使のためには,
本件発信者の氏名及び住所等が明らかにされる必要がある。したがって,原
告には,本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある。
(被告)
争う。

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の発信者情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。