事件の基本情報
| 裁判所 | 京都地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成19(行ウ)24 |
| 判決日 | 2011-02-01 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働基準法75条、憲法25条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 地方公務員災害補償制度において,災害(負傷,疾病,障害又は死亡)が公 務上の災害と認められるためには,職員が公務に従事し,任命権者の支配管理 下にある状況で災害が発生したこと(公務遂行性)を前提として,公務と災害 との間に相当因果関係があること(公務起因性)が要件とされるところ,本件 の争点は,Aの死亡に公務起因性が認められるか否かであり,当事者の主張は 以下のとおりである。 (原告の主張) (1) 公務起因性の判断基準について ア 労働基準法75条以下に定められている労働者災害補償制度は,労働災 害によって生活の危機にさらされる労働者本人とその家族に対して生活保 障を行うこと(憲法25条が保障する生存権)を目的とする制度である。 地方公務員災害補償法(以下「法」という。)もこれと趣旨を同じくする 制度であるから,同法における公務起因性の判断もこのような制度趣旨に 基づいて判断されるべきである。 イ 地方公務員災害補償制度において,遺族補償の対象にできるのは,「職 員が公務上死亡した場合」(法31条)であり,この公務起因性が認めら れるためには,当該負傷又は疾病と公務との間に条件関係に加え,「相当 因果関係」が必要とされる(最高裁第二小法廷判決昭和51年11月12 日・判例時報837号34頁参照)ところ,相当因果関係の存否は,上記 制度趣旨に照らせば,公務遂行を唯一の原因ないし他の原因と比べて相対 的に有力な原因とする必要はなく,傷病原因のうち,公務が相対的に有力 な原因であることを要し,かつ,これで足り,相対的なものである以上, 他に競合(共働)する原因があり,それが同じく相対的な有力原因であっ たとしても,相当因果関係の成立は妨げないと解するべきである(共働原 因説)。 特に精神疾患は,単一の病因ではなく,素因,環境因(身体因,心因) の複数の病因が関与し,環境からくるストレスと個体側の反応性,脆弱性 の相関関係で精神的破綻が生じて発病するもので,①業務による心理的負 荷,②業務以外の心理的負荷,及び③個体側要因が競合(共働)しており, この3つの要因を切り離していずれが有力かを判断することは不可能であ るから,上記労働者災害補償制度の趣旨からすると,上記判断基準による ことが相当である。 ウ また,公務過重性判断における心理的負荷の有無,強度については,上 記労働者災害補償制度の趣旨に照らせば,「被災職員と職種,職等が同程 度の職員」を基準とすることは,そのような「一般人ないし平均人」を想 定することが不可能である上,あまりに救済の幅を狭めることになるので 相当ではなく,被災職員本人が出来事をどのように受け止めたかによって 判断するべきである(本人基準説)。 (2) 本件について ア 本件において,Aは,1年ぶりに,平成10年4月から担任となり意
主文(判決文より)
1 本件訴えのうち,処分行政庁に対し,原告が平成14年8月1日付けで 申請した公務災害認定請求について,地方公務員災害補償法による公務災 害認定の義務付けを求める部分を却下する。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。