損害賠償等請求事件

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号平成21(ワ)3187
判決日2011-11-30
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 本件廃止決定の違法性の有無
(原告の主張)
ア 本件指示は,次のとおり,その内容が原告にとって客観的に実現不可
能なものである。法27条は,実現が不可能な指導指示をする権限を本
件福祉事務所に与えておらず,法62条1項は,違法・無効な指導指示
に従う義務を被保護者に負わせるものではないことから,本件指示に従
わなかったことを理由とする本件廃止決定は違法である。
(ア) 原告が従事する在宅での本件請負業務は,必要な労力に比して請
負単価が極めて低廉である上,受注量も安定せず,これによる収入は
平均して月額約二,三万円であり,多い月でも約5万円程度である。
原告は,日常生活において労働に充てることのできる時間は,ほぼ全
て労働に費やしており,これ以上労働時間を増やすことも,労働時間
あたりの仕事量を増加させることも不可能であった。また,原告が,
発注元であるDとの関係において,仕事の種類を選択したり,受注量
をコントロールすることは出来ない。原告の収入は,月によって変動
があるが,原告の収入が保護受給開始時と比較して低下したのは,同
じ仕事量でも,Dから支払われる単価が著しく低下したことによるも
のであり,原告が増収の努力を怠ったことに起因するものではない。
したがって,本件指示当時,原告は,その置かれた状況において最
大限可能な労働をしており,これ以上,原告の努力によって収入を増
加させることは不可能であった。
原告は,後記のとおり内職という就労形態をとらざるを得なかった
が,本件請負業務以外の他の内職を探すことも実際に考えていたもの
の,同請負業務は,他の内職より格段に割の良い仕事であり,転職に
より増収を図ることは不可能であった。
(イ) 原告の妻Bは,生育歴等の影響で早い時期から不安定な精神状態
にあったが,30歳のころからその症状が悪化し,医師に対して継続
的に不安感・恐怖感・抑うつ気分を訴えている。Bは,特に独りで過
ごすことに不安感・恐怖感等があり,症状が悪化すると,リストカッ
トなどの行動に出る危険も抱えている。また,Bは,身の回りのこと
はかろうじてできるものの,日常生活を送るには適当な援助や保護を
要する状態であり,常に夫である原告が身近にいなければ生活するこ
とができない。このようなBの症状には多少の起伏変動はあるものの,
現在まで基本的な改善を見たことはない。原告は,短時間でも妻を自
宅において外に働きに出ることができず,在宅の仕事である本件請負
業務に従事する以外に収入を得る方法がない。
(ウ) 本件指示は,月11万円への増収を指示するものであるが,11
万円という額には客観的な算定根拠はなく,感覚的な判断により設定
されたものに過ぎず,妻の精神科疾患から内職という職業形態を選択
せざるを得ない

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,412万6000円及びこれに対する平成21年9月
11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを20分し,その17を被告の,その余を原告の各負担と
する。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。