事件の基本情報
| 裁判所 | 京都地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ヨ)45 |
| 判決日 | 2017-04-27 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)) 〔債権者〕 ア 少なくとも自然人には,生命・身体・平穏な生活を営む権利である人格 権が生まれながらにして保障されており,このような人格権が受忍限度を 超えて侵害された場合には,その侵害行為の排除を求めることができ,ま た侵害されるおそれがある場合には,その予防として侵害行為の差止めを 求めることができる。 また自然人,法人を問わず,社会活動としての業務遂行の平穏が害され ている場合には,財産権の一内容である平穏に業務を遂行する権利に基づ いて,その侵害行為の差止めを請求できる。そして,法人にとって法的に -4- 保護されるべき業務には,当該法人の財産権やその業務に従事する者の人 格権をも包含されている。本件施設の場合は,多数の市民の利用を前提と する施設であるから,本件施設の利用のために来館する者の安全を脅かす 行為がされた場合にも,その行為の差止めを請求できるものである。 イ 本件の被保全権利の有無を判断するに当たっては,暴力団という組織の 性格を踏まえた上で,当該暴力団の実態,対象物件の利用状況,当該暴力 団や関連団体による現在及び過去の紛争,抗争事件の有無,内容,暴力団 の抗争の実態や特色等を総合考慮して,その危険性を判断するべきである。 ウ A会において後継者争いが行われており,本件事務所において平成29 年1月11日に発生した騒動は,A会の内部紛争に止まるものではなく, 実質的には,債務者B等を支援するH組と債務者Eを支援するI組との間 の対立抗争の一部と位置づけられる。I組とH組は,全国で多数の対立抗 争事件を起こしており,抗争が現在も終息する兆しも見せていないことも 鑑みれば,今後も,A会の活動拠点である本件事務所の使用をめぐり,A 会の組員間,またはI組,H組を巻き込んだ形の抗争事件が発生する蓋然 性は極めて高い状況にある。そして,このような紛争状態が終息する見込 みが立っていない現状では,債務者らのいずれの者についても,本件事務 所を暴力団組事務所として使用する高度の蓋然性があるということができ る。 エ このような状況の下,債権者は,本件施設の利用者や同施設に勤務する 従業員の安全を確保するために,関係各部署に対策チームを作るなど対応 にあたっており,本件事務所が暴力団組事務所として使用されていること によって,本件施設の正常な業務運営は妨害されている。 したがって,本件事務所の暴力団組事務所としての使用が差し止められ ない限り,債権者の平穏に業務を遂行する権利が侵害され続けることは明 らかであるから,債権者は,債務者らに対し,暴力団組事務所としての使 -5-
主文(判決文より)
1 債務者らは,別紙物件目録(省略,以下同じ)記載1の建物につき,下 記行為をするなどして指定暴力団七代目A会その他の暴力団の事務所又は 連絡場所として使用してはならない。 記 (1) 上記建物内で指定暴力団七代目A会その他の暴力団の定例会,儀式又 は会合を行うこと (2) 上記建物内に指定暴力団七代目A会その他の暴力団の構成員を立ち入 らせ,又は当番員をおくこと (3) 上記建物の外壁に指定暴力団七代目A会その他の暴力団を表象する紋 章,文字板,看板,表札及びこれに類するものを設置すること 2 執行官は,前項の趣旨を適当な方法で公示しなければならない。 3 申立費用は債務者らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。