事件の基本情報
| 裁判所 | 京都地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)3800 |
| 判決日 | 2017-12-07 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 救助器具としてDSVを選択したことが過失に当たるか(争点1)。 ア 原告らの主張 DSVについて,静岡市消防局航空消防活動要領には,①要救助者が体 力を消耗しているときなどは,股下シートを要救助者の股に通して吊上げ を行う必要があること,②吊上げの際,要救助者にDSV側面の取っ手を 掴ませることなどが定められている。 本件で,①当時Dは,本件滑落等により体力を消耗していたから,DS Vを使用するのであれば,股下シートを装着して落下防止を図る必要があ ったが,Dは下半身をブリザードパック(寝袋型の保温用具)に包まれ, 股下シートを装着できないとGは判断しており,②当時Dの左手には包帯 様のものが巻かれており,取っ手を掴むことができなかった。以上の状況 においては,被告救助隊員は,救助器具として,DSVではなく,当時救 助ヘリコプターに積載していたエバックハーネス等の水平吊救助資機材 を選択すべきであった。しかし,被告救助隊員は,前記のとおり本件では 不適切なDSVを選択した。 イ 被告の主張 静岡市消防航空隊のヘリコプターは,最大全備荷重の状態でホバリン グできる最高高度が3109mであり,富士山9.5合目付近での救助 活動には,人員ないし装備を減らす必要があった。また,現場の酸素濃 度は通常の65%で,被告救助隊員は出動からわずか30分で標高35 00m付近に達しているもので,いつ高山病の症状がでてもおかしくな い状況下にあった。また,当時の現場は,気温が-12℃で,ヘリコプ ターの直下ではローター(回転翼)による強風(ダウンウォッシュ)を 受け,体感温度は-34℃を下回るものであった。 救助員は,救助のためヘリコプターから地表に降りるに際し,その装 着するフルボディハーネスのカラビナ(開閉口のある金属リング)をホ イスト(巻上げ機)のフックに取り付け,ヘリコプターと接続した状態 で,ホイストワイヤーが繰り出されることによって降下する。エバック ハーネスを使用する場合,救助員は,前記カラビナからホイストフック を外す必要がある。これをホイストカットといい(あるいはフックカッ トという。),これにより救助員はヘリコプターと切り離される。 エバックハーネスは,その装着等に相当の時間を要する上,袋状の形 状をしているためヘリコプターのダウンウォッシュの影響下では,開披, 装着が困難になる。このため,エバックハーネスの使用に当たっては, ヘリコプターが一時救助現場から離れ,要救助者にエバックハーネスを 装着した後,収容のため改めて戻ってきたヘリコプターのホイストフッ クを救助員と要救助者のそれぞれのカラビナに繋がなければならない。 ヘリコプターが一時救助現場を離れた後,気流変動等が生じると,ヘ リコプターの再進入ができなくなり,地上に救助員及び
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。