虚偽診断書作成,同行使

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号平成29(わ)421
判決日2019-03-19
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
本件公訴事実は,「被告人は,京都市a区b町c番地のd医療法人AB病院
Cセンター所長を務める医師であり,指定暴力団D総長Eの診療を担当してい
たものであるが,Eの病状等に関するF高等検察庁検察官からの平成28年1
月27日付け裁判執行関係事項照会書に対し,同月29日頃から同年2月5日
までの間に,同病院において,真実はEがその当時に重篤な心室性不整脈であ
るなどの事実はなかったのに,『当院での現在の病状については,継続して起
こる心室性の不整脈であり,その出現頻度は日によって異なるが概ね7,00
0回から10,000回は出現していると思われる。時間帯によって多く出現
する時間帯が認められ,時には2連発までの出現が確認されている。』,『E
氏の心室性不整脈は…かなり重篤な状況であるといえる。』,『特に最近につ
いては強い自覚症状を訴えて時間外に受診されることもあり』,『現在の症状
から,今後,心室性不整脈が頻発し,症状が重篤化することが安易に予測でき
る。』などと虚偽の事実を記載して同年2月5日付け同検察官宛ての回答書を
作成し,もって公務所に提出すべき診断書に虚偽の記載をした上,大阪市e区
fg丁目h番i号F高等検察庁に郵送し,同月8日,同検察庁執行係職員に対
し,同回答書を真正な内容のものであるように装い提出して行使したものであ
る。」というものである。
本件では,被告人が作成・行使したこの回答書(以下「本件回答書」とい
う。)の記載内容が虚偽であるかどうか,すなわち,被告人が,客観的真実に
反する診断内容を,自己の認識又は判断に反して記載したかどうかが争われて
いる。
第2 当裁判所の判断
1 本件回答書に記載された心臓突然死のリスク(危険性)の程度・意味内容に
ついて
⑴ 検察官は,本件回答書の記載内容は,一般通常人が素直に読めばEを刑事
施設に収容することにつき否定的判断を示したものであると読めるとして,
被告人はそのような趣旨の判断をしたものと解するのに対し,弁護人は,そ
のような趣旨には解されない旨主張しており,そもそも被告人が本件回答書
でどのような判断を示したのかについて争いがある。
⑵ 本件回答書の病名欄に記載された「重症心室性不整脈」が,心臓突然死の
リスク(危険性)のある心室性不整脈を指すことは当事者間に争いがなく,
関係証拠からも認められるところ,本件回答書の記載内容を,検察官が主張
する趣旨と解するかどうかは,本件回答書の記載内容が虚偽といえるかどう
かの判断(以下「虚偽性の判断」ともいう。)にも関わるものである。また,
診療過程で患者から聴取した自覚症状やそれまでの検査結果等を前提に病名
を診断し,今後の治療予測等を立てたり,予後を予測したりするものと,そ
れに加えて各種検査を行った上でその時点における確定的な診断をするもの

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。