事件の基本情報
| 裁判所 | 京都地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ワ)2094 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに関する当事者の主張 ⑴ 本件事故におけるAの過失の有無 (原告の主張) ア 学校教育に付随する部活動においては,これによって生徒が危害を受け ることがないよう,指導・監督に当たる教員に安全を確保すべき義務が課 されている。打球や飛球が飛び交うソフトボール練習には危険があり,特 にノック練習においては傷害を伴う事故が生じやすい。 堀川高校における部活動としてのソフトボール練習は,体力や心身の増 強と生涯スポーツの楽しさを育成することを主たる目的としているのであ るから,最優先されるのは生徒の健康の維持と安全であり,部活動指導に 携わるAには高度の危険防止義務が課されていた。 しかし,Aは,原告の身体の安全性を犠牲にして試合を成立させること を優先していた。 イ 打球の強さについて 通常,内野のノック練習の際,ノッカーは適切な守備範囲に安全な速度 のゴロを打つことを要請され,バットを強くスイングすることはしない。 しかし,本件事故当時,Aはフルスイングに等しい状況で打撃を行った。 Aは,本件ノック練習の前,バットをフルスイングしながら「今日はスト レスが溜まっている。」などと話していた。原告は,当日,誰かが怪我をす るのではないかと不安を感じていた。 - 3 - 原告の技量であれば,左手を負傷していない状況で,試合における対戦 相手校選手の打力程度のノックであれば,適切な捕球体勢でほぼ捕球する ことができる。しかし,本件事故当時のAの打球は速度,強度ともに対戦 相手の打球を大きく上回っていた。原告は,負傷していた左手親指への打 球の衝撃を顧みず,打球が体に当たることも厭わない覚悟で,恐怖を捨て て必死にボールの軌道に入ることで何とか捕球の可能性を上げることがで きていたにすぎない。このような危険な状態での成功実績を見て,Aが安 易に「原告の技量と比して不相当な打球ではない。」と判断したのであれば, それ自体が重大な注意義務の懈怠である。 Aの打球は,全てが安全なゴロではなく,試合で飛球することのありえ ない成人男性が全力で打った強度であり,バットコントロールが十分利か ずにライナーとなることが多くあった。強打であるため,Bは捕球できな いことが多く,原告も決して適切に捕球できていたわけではなかった。本 件事故時の打球が当日の他の打球に比べて殊更強度であったということは なく,Aが原告に対して打った全ての打球が極めて強度であった。Aは, ソフトボールの競技経験も指導歴もなく,自身の最大限の力で打つノック の強さと試合での打球の強さを区別して打てていなかった。 ウ 原告の負傷への配慮について ソフトボール部に備え付けられていたキャッチャーミットは,左手指を 入れる箇所が大きく,左手指がうまく固定されずフィットしていなかった。 キャッチャーミットの紐を締
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,578万5144円及びこれに対する平成27年6月 2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを20分し,その11を原告の負担とし,その余は被告の 負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。