殺人

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号令和3(わ)1393
判決日2022-12-14
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法19条1項2号、刑法21条、刑法199条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、
被告人が殺意をもって殺人の実行行為に及んだかである。
2 争点に対する判断
Eに生じた刺創は、本件包丁がEの左腹部にほぼ垂直に刺さり、第8、第9肋骨
を切開しながら、左背部まで貫通するほぼ直線状の傷であるから、かなり強い力で
意図的に突き刺したものであることが相当程度推認される。また、近隣住民のGや
- 1 -
Hの供述等によると、本件包丁がEに刺さる直前、被告人とEは大声で口論をして
いたことが認められるから、被告人がEに本件包丁を突き刺すこともあり得る状況
であったといえる。そして、近隣住民のGやIの供述等によると、被告人は、通路
に座り込んだEが出血していたにもかかわらず、そのことに驚くことなく、Eへの
怒りをあらわにしていたことが認められるから、被告人にとってEの負傷は想定外
の出来事でなかったと推認される。
これらのことからすると、被告人がわざとEの左腹部を強い力で突き刺したこと
が強く推認される。
弁護人らは、偶然の事故により本件包丁がEに刺さった可能性やEが自殺した可
能性を主張し、被告人は、本件包丁がEに刺さった経緯は分からないが、Eが自殺
したと考えられる旨供述する。
しかしながら、Eが本件以前に自殺を考えていた形跡はなく、被告人と言い争い
をしていたEが、唐突に自殺を決意するとは考えられない。Eが自殺した可能性は
常識に照らして考えられない。被告人の供述は、本件包丁がEに刺さる直前、直後
の状況について、近隣住民の供述と相容れない上、被告人が本件包丁を手にしてか
ら本件包丁がEに刺さるまでの経緯が曖昧かつ不自然であって、信用することがで
きない。また、偶然の事故により、Eの身体を貫通する程の強い力がかかるとは考
えにくい。例えば、Eと被告人が本件包丁を奪い合ったとした場合、Eが自分の左
腹部に刃先が向くような奪い方をしたとは考えにくいし、仮にそのような奪い方を
したとしても、そのまま自分の体に垂直に本件包丁が突き刺さり、体を貫通してし
まうとは常識に照らして考えられない。
以上より、被告人がわざとEの左腹部を本件包丁で強く突き刺したことは間違い
なく認められる。そして、このことは、被告人が人の死亡する危険性の高い行為を、
そのような行為であると分かりつつ及んだことを意味するから、被告人は殺意をも
って殺人の実行行為に及んだと認められる。
【法令の適用】
- 2 -
罰 条 刑法199条
刑 種 の 選 択 有期懲役刑
未決勾留日数の算入 刑法21条
没 収 刑法19条1項2号、2項本文
訴訟費用の不負担 刑事訴訟法181条1項ただし書
【量刑の理由】
被告人は、被害者の左腹部を、鋭利な刺身包丁で肋骨を切りながら背中まで貫通
させる強い力で1回突き刺しており、生命侵害の危険性が非常に高い犯行である。
突然命を奪われた被害者の

主文(判決文より)

被告人を懲役15年に処する。
未決勾留日数中250日をその刑に算入する。
京都地方検察庁で保管中の包丁1本(領置番号省略)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。