事件の基本情報
| 裁判所 | 京都地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(わ)775 |
| 判決日 | 2023-01-31 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法21条、刑法25条、刑法25条1項、刑法45条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 弁護人は、判示第1について、その飼い猫(以下「本件猫」という。)の爪を爪切 りで深く切断して出血させる傷害を負わせたことは争わないものの、舌を切断した ことはなく、尻尾を持って振り回し壁にぶつけたことはあるものの、その際、被告 人には未必的な殺意もなかったから、被告人は本件猫を殺していない旨主張し、被 告人もそれに沿う供述をする。 2 前提事実 関係証拠によると、次の事実が認められる。 被告人は、令和4年6月19日、生後約3か月の本件猫を、ペットショップ で購入したが、その際、本件猫に健康上の問題はなかった。被告人は、同月23日、 本件猫を動物病院に持ち込み、そこで本件猫が栄養不足状態であることや、その爪 18本全てが根元から切り取られていたことが確認され、点滴治療が施された。被 告人は、同月24日、前記動物病院に来院し、本件猫が死んだ、新しい猫がもらえ るから死亡診断書を作成してほしいと求めたが、死体を見ていないとして拒絶され ると、同月27日、大量のウジが湧いた本件猫の死体を前記動物病院に持参した。 本件猫の死体を解剖したA獣医師作成の鑑定書及び同人の供述によると、本 件猫の死因は、胸部の鈍的外傷に起因する肺出血及び胸腹部の鈍的外傷に伴う外傷 性ショックであり、腹部後大静脈又は胸部後大静脈が裂けたと認められることから すると、人間が誤って踏みつけた程度では生じず、例えば、人間が、尻尾をつかん で投げ飛ばし固いところに身体を強く打ちつけたり、肺の辺りを蹴飛ばしたり踏み つけたりすることで生じたと考えられること、本件猫には、死因となった外傷のほ か、生前に、舌の左半分が根元から先端まで、鋭利な刃物様の道具が使われて切り 取られ、18本の爪全てが出血するほど深く切られていたことが認められる。 3 判断 本件猫は、6月19日に被告人に購入された時点で、健康上の問題はなかったの に、その4日後には栄養不足と全ての爪が深く切られていたことが確認され、その 翌日には被告人が動物病院に死亡した旨伝え、その3日後、動物病院によって死亡 が確認されていることに加え、本件猫が生後約3か月の子猫であり、一人暮らしの 被告人によって飼われていたことからすると、被告人が、本件猫の全ての爪を深く 切り、舌の左半分を根元から先端まで、鋭利な刃物様の道具を使って切り取り、何 らかの方法で、肺出血や腹部後大静脈又は胸部後大静脈が裂けるほどの強い鈍的外 力を胸腹部に加えたことが強く推認される。そして、舌の左半分を切り取ることは、 猫が死亡する危険を感じさせるものであり、胸腹部に強い鈍的外力を加えることは、 猫が死亡する危険性の高い行為であるから、被告人は、それらの行為を行った際、 少なくとも本件猫が死んで構わないという内心状態であったと強く推認される。 被告人は、舌の左半分を切り取った
主文(判決文より)
被告人を懲役1年6月に処する。 未決勾留日数中70日をその刑に算入する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予し、その猶予の 期間中被告人を保護観察に付する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。