国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号令和4(ワ)998
判決日2023-04-18
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑事訴訟法197条1項、憲法31条、憲法35条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
⑴ A警部補の行為(本件立入り)が国賠法1条1項上違法か(争点1)
【原告の主張】
A警部補は、淀川署において捜査中であった原告を被疑者とする銃砲刀剣
類所持等取締法違反被疑事件について、捜査対象であるけん銃と、原告宅内
で発見されたけん銃の同一性を確認するため、淀川署の上司らの指示のもと
本件立入りを行った。淀川署を含む大阪府警は、裁判所から捜索差押許可状
等の令状の発付を受けておらず、原告や、立会人である原告の内妻の承諾を
得ていないから、本件立入りの法的根拠は全くなかった。すなわち、A警部
補は、無令状かつ無承諾のまま、捜査目的で原告宅に立ち入ったものである。
本件立入りは、何人も裁判所の発する令状によらない限り捜査機関によっ
て住居を侵されないことを保障する憲法35条に違反し、同条が保護する権
利を侵害するとともに、憲法31条により保障される適正な手続を受ける権
利を侵害する行為である。
また、本件立入りは無令状で行われているから、住居に対する捜索差押え
という強制処分を行うにあたっては裁判官の発付する令状を必要とするとい
う刑事訴訟法197条1項但し書、同法218条にも違反する。
したがって、A警部補の行為(本件立入り)は、国賠法1条1項の適用上
違法である。
【被告の主張】
ア 原告が主張する事実関係については認め、本件立入りが国賠法1条1項
の適用上違法であるとの主張は争う。
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イ 本件立入りは大阪府警察において取得した令状に基づくものではないが、
当時、原告宅において下京署の警察官が、裁判所が発付した捜索差押許可
状を執行して捜索差押えを行っていたところ、けん銃様の物が発見された
ことから、A警部補が、淀川署で捜査対象としている真正なけん銃かどう
かを確認するという目的のため、わずか数分の間、原告宅に立入り、けん
銃様の物3丁の外観を観察したに過ぎない。A警部補は捜査として「捜索」
をするために立ち入ったものではないし、上記本件立入りの目的及び態様
に照らすと、本件立入りは国賠法1条1項の適用上違法と評価されるもの
ではない。なお、大阪府警察と京都府警察は、警察法59条により相互に
協力する義務がある。
ウ 原告に係る銃砲刀剣類所持等取締法違反等被告事件の各審級における審
理では、本件立入りの違法性を根拠とする違法収集証拠を排除すべきとい
う原告の主張はいずれも排斥されており、本件立入りが、憲法31条に基
づく原告の適正な手続を受ける権利を侵害したといえるものではないこと
は明らかである。
⑵ 違法な本件立入りにより生じた損害の有無及び額(争点2)
【原告の主張】
違法な本件立入りにより、原告は多大な精神的苦痛を被った。その精神的
苦痛を慰謝するに足りる金額は、100万円を下らない。また、被告の違法
行為と因果

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、3万3000円及びこれに対する令和元年7月8日か
ら支払済みまで年5パーセントの割合による金銭を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを10分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負
担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。