殺人被告事件

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号令和4(わ)198
判決日2023-07-05
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点等について
本件の争点は被告人がAを殺害したか否かである。弁護人は、被告人はAを殺害
しておらず、同人は被告人がそばにいない間に自殺したと主張するが、当裁判所は、
検察官が主張するとおり、被告人がAを殺害したことは間違いないと判断したので、
以下、その理由を説明する。
第2 当裁判所の判断
1 被告人の自白について
被告人は、令和4年2月15日及び同月16日、検察官に対して、Aの首を両手で
絞めて殺害した旨の供述をしている(以下「本件自白」という。)。
⑴ 本件自白の任意性について
弁護人は、本件自白に先立ち令和4年2月15日にポリグラフ検査が行われたこ
とやその実施方法が黙秘権の告知がなされないなど不適切なものであったこと、同
日行われたB警察官の取調べの際、黙秘権告知等がなかったこと、同日の取調べ等
が長時間であったことから、同警察官の取調べでなされた被告人の供述は任意性に
疑いがあり、それ以降になされた本件自白も任意にされたものでない疑いがある旨
主張する。
しかし、ポリグラフ検査は心理検査であり、これを実施することで直ちに黙秘
権が侵害されるものではなく、実施に先立ち黙秘権の告知をしていなかったからと
いって本件のポリグラフ検査が違法・不当となるものではない。また、B警察官は、
被告人に対してポリグラフ検査の結果を具体的には告げておらず、同結果を取調べ
に利用していない。弁護人は、B警察官が作成した取調べメモに黙秘権告知の記載
がないことを指摘するが、取調べの全ての過程が同メモに記載されるとは限らず、
黙秘権は告知したがそれは取調べの際には通常行われる基本的事項であるからメモ
に記載しなかった旨の同警察官の供述は信用でき、同警察官の取調べの際に黙秘権
告知はあったと認められる。B警察官や検察官の取調べ等も、殺人という事案の重
大性に鑑みれば特段長時間であったともいえない。その他弁護人の主張を踏まえて
検討しても、本件自白の任意性に疑いを生じさせる事情は見当たらない。
したがって、本件自白が任意にされたものでない疑いはないと認められる。
⑵ 本件自白の信用性について
ア 被告人がAの遺体を遺棄したことについて
被告人は、Aの死亡後の平成28年10月22日(以下「本件当日」といい、時刻の
みの記載は同日のものをいう。)未明、同人が被告人の子供を妊娠していた婚約者
で、幼なじみでもあるにもかかわらず、110番や119番通報をしたり、Aを病院に
連れて行ったり、同人の家族に連絡をしたりするなど全くせずに、自動車で同人の
遺体を奈良県内のb山に向かう道路脇の山林に運搬し遺棄した。このような被告人
の行動は、被告人がAを殺害していなければ通常とらないようなものであり、被告
人がAを殺害したことを強くうかがわせる事情といえる。
イ A死亡後のその他の被告

主文(判決文より)

被告人を懲役18年に処する。
未決勾留日数中300日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。