殺人、窃盗被告事件

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号令和2(わ)1258
判決日2023-08-08
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、①殺意の有無、②正当防衛又は過剰防衛の成否であり、争点②
については、主として、先にAが被告人に対して本件ナイフを用いて襲いかかる
などしたという急迫不正の侵害の事実がなかったと認められるか否かが問題と
なっている(以下、特に断りのない限り、月日はいずれも令和2年のものである。)。
2 争点①(殺意の有無)について
(1) 検討の前提となる事実
関係証拠によれば、①本件ナイフは、被告人自身が自殺用に購入して普段か
ら持ち歩いていた、先端鋭利な折りたたみナイフであり、刃体の長さは約8セ
ンチメートルであったこと、②被告人は、Aの胸部、頸部、背部といった身体
の枢要部を中心に19か所も本件ナイフで突き刺しているところ、死因となっ
た心タンポナーデを発症させるに至った左乳房部の傷(解剖時に付された番号
「A-2」の傷。以下、単に、「A-2」などという。)の深さは約8.4セン
チメートルであり、左胸部にはそれとは別に肋骨を貫通するほどの力が加わっ
て生じた傷(A-1)があること、③受傷状況からすれば、心タンポナーデを
生じさせた左乳房部の受傷(A-2)の後に、左内頸静脈を完全に切断するな
どしている左頸部の傷(C-1)や肋間を切開して腎臓を切開する背部の傷(B
-4)が生じたといえることが認められる。
なお、被告人は、Aに引っ張られて後ろに倒れ込んだ際に、手に持っていた
本件ナイフが意図せずAの背部に刺さったかのように供述し、弁護人も背部上
部の傷(B-1)がその際のものである旨主張するが、背部上部に生じた傷の
深さは、前左下方に約4センチメートルにとどまっており、被告人の供述する
ような動きによって生じたものとは考え難く、19か所全ての傷について、被
告人が故意に本件ナイフを突き刺したことにより生じたものと認める。
(2) 評価
被告人は、刃体の長さ約8センチメートルの殺傷能力を有するナイフで身体
の枢要部を中心に19か所もAを突き刺しており、肋骨を貫通するほどの力、
あるいはナイフの刃が全て入るほどの力で心臓のある左胸部を突き刺してい
る上、その後もなお左頸部や背部を深く突き刺している(上記①~③)。この
ような行為態様に加えて、被告人が本件ナイフの性状や殺傷能力等を十分に認
識していたといえること(上記①)を併せ考えれば、被告人においてその行為
の危険性を認識し得ないはずはないというべきであるから、被告人は、人が死
ぬ危険性が高い行為を、そのような行為であると認識して行ったと認められる。
したがって、被告人には殺意が認められる。
3 争点②(正当防衛又は過剰防衛の成否)について
(1) 被告人の供述要旨及び弁護人の主張
被告人は、公判廷において、要旨、①Aとの2回目の性行為を終えてシャワ
ーを浴びた後、腰にバスタオルを巻いて、豆電球だけが点いてい

主文(判決文より)

被告人を懲役18年に処する。
未決勾留日数中620日をその刑に算入する。
京都地方検察庁で保管中の折りたたみナイフ1本(令和3年領第2
19号符号1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。