非現住建造物等放火、建造物侵入、建造物等以外放火、非現住建造物等放火未遂

事件の基本情報

裁判所京都地方裁判所
事件番号令和5(わ)890
判決日2024-06-12
分類民事

この事件の代理人

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争点(判決文より)

本件の争点等
関係各証拠によれば、被告人が本件各犯行に及んだことが認められるところ、弁
護人は、被告人は、本件各犯行当時、自閉スペクトラム症及び放火症に罹患してお
り、その影響で行動制御能力が著しく減退していたから、心神耗弱の状態にあった
と主張する。当裁判所は、被告人は、本件各犯行当時、完全責任能力を有していた
と判断したので、以下、その理由を説明する。
第2 当裁判所の判断
1 被告人の精神障害
⑴ 被告人の簡易精神鑑定
本件起訴後に弁護人の依頼で被告人の簡易精神鑑定を行った精神科医である証人
Gの公判供述(第4回公判調書中の同証人の供述部分)及び同医師作成の鑑定書(以
下合わせて「G鑑定」という。)の内容は以下のとおりである。すなわち、被告人は、
本件各犯行当時、放火症であり、放火への衝動性が強い症状であった。被告人は、
幼少期から火に対する興味を持ち、令和5年4月に大学に進学する前にも家の中で
物を燃やすなどする中で、放火症に後天的に罹患した。被告人が放火症に罹患した
背景には、先天的な自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)があり、火に
対するこだわりや興味が強いことがあった。
被告人は、自閉スペクトラム症のため、対人交流能力や共感性が乏しく、大学生
活で周囲とうまく人間関係を構築できず、ストレスを感じていた。放火症による衝
動と、自閉スペクトラム症による火に対するこだわりが、上記のストレスを解消す
る方法としての本件各犯行に及ぶに至る動機の形成に大きな影響があった。本件各
犯行を短期間に連続して行ったこと、放火による興奮、気持ちの高ぶりを被告人が
自覚していたこと、現場に人がいて放火が困難な場合には、再度出直してまで犯行
に及ぶ執拗性から、放火症による衝動が強く、衝動を抑えることが困難であったこ
とがうかがえる。G鑑定の概要は以上である。
⑵ G鑑定の信用性
検察官はG医師の鑑定能力及び鑑定の前提条件等に誤りがあると指摘して、G鑑
定の信用性を争う。しかし、G医師は、精神科医であり、約15年にわたり200件程の
主として簡易精神鑑定の経験を重ね、相応の専門知識を備えていると認められ、被
告人の簡易精神鑑定に当たっても、本件の事件記録を参照の上、被告人との面談の
結果を踏まえて判断しており、判断の資料となった客観的事実に誤りはないことな
どから、その信用性を否定することはできない。
2 被告人の責任能力の有無
⑴ G鑑定によれば、被告人は、本件各犯行当時、放火症の影響で、放火への衝動
が強く、自閉スペクトラム症による火へのこだわりが影響して、他のストレス解消の
手段を選ばず、本件各犯行に及んだことが認められるが、これらの精神障害が被告人
の本件各犯行当時の行動制御能力に影響していた程度について検討する。
⑵ 被告人は、令和5年5月24日、判示第

主文(判決文より)

被告人を懲役3年に処する。
未決勾留日数中190日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。