事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)606 |
| 判決日 | 2016-07-21 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働契約法18条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件再任用拒否の国家賠償法上の違法性の有無(争点1)並 びに損害(慰謝料及び弁護士費用)の発生の有無及び額(争点2)であるとこ ろ,争点1に関する当事者の主張は,次のとおりである。 原告の主張 任期付公務員については,再任用を求める法的権利までは認められないも のの,被任用者である当該公務員において,任用期間満了後も任用が継続さ れると期待することが無理からぬものとみられる行為をしたというような特 別の事情が認められる場合には,当該再任用拒否行為が国家賠償法上の違法 性を帯びる(最高裁判所平成6年7月14日第一小法廷判決・裁判集民事1 72号819頁参照。)。 そして,本件においては,以下の事情を総合すると,上記特別の事情が存 在することが明らかである。 ア 多数回かつ長期間にわたって再任用が繰り返されていたこと 原告は平成4年6月に札幌保護観察所に採用されて以降,合計13回再 任用され,通算23年間もの長期にわたり同観察所において同内容の業務 に従事してきた。一般的に,再任用回数が多数回になればなるほど,また, 勤務期間が長期になればなるほど,被任用者は,当該任用が実質的に期限 の定めのない任用(労働契約法18条の趣旨参照)であると信頼し,今後 も再任用されるとの認識を有するのが通常である。 イ 雇用契約書に再任用を前提とした記載が存在すること 原告に交付された雇用契約書(甲4)には,継続勤務期間が6か月以上 であれば所定の年次有給休暇を取得することができ,また,雇用期間が1 年間増えるごとに取得可能な日数も増加すること,さらには,年次有給休 暇は翌年まで繰越しが可能なこと等が記載されている。 これらの記載によれば,任用が繰り返されることが契約書上前提とされ ているものと解するほかない。 ウ 再任用手続が形骸化していたこと 期間業務職員の採用については,公募によらず同一人物を任用すること は連続2回を限度とするように努めるべき旨の通達の定めがある(平成2 2年8月10日人企-972〔乙15〕)にもかかわらず,札幌保護観察 所においては,平成22年度から平成25年度までの間,一度も公募をす ることなく原告の任用を継続し,平成26年度については公募を実施した 上で原告を再任用している。 原告としては,上記通達に反してまで原告の任用が継続されており,今 後も自身が再任用されるものと信頼することがやむを得ないといえる。ま して,北海道内に10ある保護観察所のいずれにおいても,再任用を希望 した職員の任用を拒絶した例はなかったのであるから,原告が再任用を拒 絶されることを予見することは困難であった。 エ 原告の再任用を拒絶する合理的理由が存在しないこと 札幌保護観察所は,原告が再任用を拒否された年に新たに2名の職員を 任用しており,人員を削減する必要性
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。