覚せい剤取締法違反,関税法違反,麻薬及び向精神薬取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成28(わ)369
判決日2017-02-22
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,被告人に覚せい剤密輸入の罪について故意が認められるか,す
なわち,被告人が運搬した荷物(以下「本件荷物」という。)が覚せい剤を含む
違法薬物であることを認識していたかどうかである。
2 関係各証拠により認められる本件荷物に係る事実関係によれば,以下のとおり,
被告人が本件荷物について覚せい剤を含む違法薬物である可能性を認識していた
ことを推認させる事実が複数存在し,他方,これに対する弁護人の主張及び被告
人の弁解は,いずれもこれを妨げるものではない。
被告人は,フェイスブック上の求人広告(以下「本件広告」という。)を
見て仕事を申し込んでいるが,本件広告には,仕事の具体的な内容の記載が
なく,連絡先として「甲」なる人物の通信アプリケーション「WhatsA
pp」(以下「WhatsApp」という。)における電話番号の記載があ
るだけで雇用主の正式名称や所在地等の具体的な情報の記載もないなど,真
っ当な仕事であれば当然記載されるはずの情報が記載されていない。また,
わずか1週間で最高2万ないし50万香港ドル(約28万7000円ないし
約717万5000円)という高額の報酬が支払われるというのも不自然で
あるし,説明文の冒頭にはあえて合法であることを強調する記載もある。こ
- 2 -
のような本件広告の内容からは,真っ当な仕事の求人でないことがうかがわ
れる。
そして,被告人は,本件広告を見て,甲にWhatsAppを通じて連絡
を取り,「偽装結婚以外他ありますか?」,「すぐにお金入る仕事が欲し
い」,「偽装結婚はやりました。信用情報は良くない,負債あり」とのメッ
セージを送っているが,広告主が合法な仕事を募集していると考えていたの
であれば,自分に違法行為の経験があることを伝えることは常識的に考えて
あり得ず,被告人が,本件広告が違法な仕事の求人であると認識してこれに
申し込んだことが推認できる。
イ その後,被告人は,甲から「あなたの条件なら他もっとあるけど,DDで
も問題ない?」と尋ねられると,「DDはなんですか?」と聞き返し,甲が
「黄,賭・・・の次は何なのかわかるでしょう。」「分かったら返事しなく
てもいい。問題ありますか?」と返答すると,「問題ないって言うのはDD
をやるかやらないかって言うことですか?まあ,金額によりますね。」と述
べている。このやり取りからは,「DD」が,甲が被告人に依頼しようとし
ている仕事の内容を意味していることが明らかである。そして,中華人民共
和国では,「風俗,賭博,違法薬物」を意味する「黄,賭,毒」という漢
字3文字の組合せが代表的な禁止事項を示す言葉として防犯標語等で使用
されており,テレビや新聞,インターネット等でも引用され,一般的に広
く知られている言葉であることが認められる(略)。そうすると,被告人
が

主文(判決文より)

被告人を懲役9年及び罰金350万円に処する。
未決勾留日数中170日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算し
た期間被告人を労役場に留置する。
押収してある覚せい剤透明結晶4袋(略),コカイン及びフェナセチ
ンを含有する白色粉末1袋(略)及びチャック付きビニール袋入り麻
薬(通称ケタミン)を含有する結晶粉末1袋(略)を没収する。
被告人から金14万3500円を追徴する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。