事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(行コ)166 |
| 判決日 | 2022-01-12 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法14条1項、憲法24条、憲法24条2項、所得税法2条1項30号 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の 主張の要旨は,次の3のとおり当審における当事者の主張を加えるほかは,原判 決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の1から5までに記載のとおり であるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正する。 ⑴ 原判決4頁22行目末尾に「(甲1)」を加える。 ⑵ 原判決5頁4行目末尾に「(甲1)」を,12行目末尾に「(甲4~6)」をそ れぞれ加える。 ⑶ 原判決6頁18行目から19行目にかけての「平成26年法律第10号」を 「平成28年法律第15号」と改める。 3 当審における当事者の主張 ⑴ 控訴人の主張 ア 最高裁昭和60年判決の判断枠組みは本件に妥当しないこと 最高裁昭和60年判決は,給与所得者と事業所得者という異質性が認め られる比較対象について,所得の性質の違いによる課税額の調整方法につ いて判断したものであって,租税負担能力の異なる者にはその能力に応じ た課税をするという垂直的公平負担原則に沿っているか否かの判断であ る。問題となる区別が垂直的公平負担原則に沿ったものであるかについて は,極めて専門技術的な判断が必要とされるため,裁判所は,広範な立法 裁量を尊重せざるを得ない。しかし,本質的平等が要求される属性による 取扱いの区別については,租税負担能力が同じ者に対して同じ課税をする という水平的公平負担原則に沿っているか否かでその合理性を判断すべ きであり,最高裁昭和60年判決の判断枠組みを採用することはできず, 立法裁量は強く制限される。 本件区別に係る比較対象は,所得が500万円を超える層(基準超過層) の母子世帯の母親と父子世帯の父親であるところ,性別以外には,収入差 のような顕在的担税力減殺要因も就業状況のような構造的担税力減殺要 因も存在しないため,比較対象には同等性が認められる。この場合,それ ぞれの取扱いの相違を確認し,取扱いの優劣の判定により水平的平等原則 違反か否かを判断すべきである。 最高裁昭和60年判決の判断枠組みは,複数の制度によって構成された 区別の違憲性判断に対応していない。基準超過層のひとり親につき,性別 により寡婦等控除の適用に違いがあるのは,昭和26年創設の寡婦控除, 昭和56年創設の寡夫控除,平成元年創設の特別寡婦控除制度の複合結果 であり,それぞれの制度の立法目的や立法手段を審査しても,複数制度の 複合結果に違憲性があるかについての判断をすることはできない。 イ 本件における判断枠組み 所得が同じで性別以外の条件が同じであるにもかかわらず,性別によって 離婚後の課税額が変わる場合,その区別に正当な理由がなければ不平等な扱 いである。また,税法上の規定が,母子世帯を父子世帯よりも優遇するもの であれば,離婚の際に親権や養育権を母親に誘導する可能性を否定できない。 上述の最高裁昭和60年
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。