殺人未遂被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成28(わ)625
判決日2017-03-16
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
第1 弁護人は,①被告人は意識的にAの腹部に包丁を刺したわけではなく,殺意
もなかった,②仮に殺意をもって刺したとしても,それは金属バットを持った
Aに頭をつかまれて押し倒されそうになり,身を守るためにした行為であるか
ら正当防衛が成立するとして,無罪であると主張する。以下これらの点につき
検討する。
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第2 殺意をもって刺したか否かについて
1 まず,被告人が意識的にAの腹部に包丁を刺したか否かにつき検討する。
(1) 法医学者である証人B(以下「B医師」という。)は,Aが腹部に負っ
た傷の状況は,2本の線状の刺創が直角に交わる「く」の字型であり,傷の
深さが少なくとも7ないし8センチメートルに及び,皮膚や筋肉,腹膜とい
った弾力性がある組織を貫通しているところ,このような傷の状況からする
と,包丁の刃先を上に向けた状態で相当の力を込めて刺し入れた後,手に相
当の力を込めて腕を時計回りにねじりながら抜くことによって傷が生じたも
のと認められ,意図的に刺したのでなければこのような傷が生じることは考
え難いと証言している。
上記証言は,豊富な鑑定経験を有するB医師が,CT画像等の資料を検討
した上で専門的知見に基づく法医学上の見解を述べたものであって,内容に
不合理な点はなく,信用することができる。
(2)ア これに対し,被告人は,Aから頭をつかまれて真後ろに押されたため,
顔が後ろに10センチメートルほど下がり,倒されないために力を入れて
顔を前に押し戻しただけであって,Aを刺していないなどと弁解する。
しかし,この被告人の弁解を前提とすると,顔を前に押し戻す動きだけ
で右手に持っていた包丁がAの腹部に刺さったことになるが,B医師の前
記証言に照らし,そのような事態は考えられない。被告人の弁解では,結
局Aの傷がどのようにして生じたのか全く説明できないのであって,到底
信用することはできない。
イ また,弁護人は,体勢の変化によって右手が上下するなど,被告人の
意識的でない動きによって,被告人が右手に持っていた包丁がAの腹部に
刺さって抜けた可能性があると主張する。しかしながら,B医師の証言に
よれば,傷の状況からは,手に力を込めて包丁を刺し入れて抜いたと考え
るのが合理的であり,意識的でない動きがあったとすれば,むしろ手を離
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してしまって包丁が深く刺さらないと考えられる。弁護人の主張は採用で
きない。
(3) したがって,被告人は,意識的にAの腹部に包丁を刺したと認められる。
2 殺意の有無について
(1)ア Aは,被告人から包丁で刺された状況について,おおむね以下のとお
り証言する。
被告人方の玄関前の共同廊下で玄関ドアを開けた被告人と向き合い,
「おまえ本当にうるさいんだ。いい加減にしろ。」などと怒鳴った。しか

主文(判決文より)

被告人を懲役7年に処する。
未決勾留日数中100日をその刑に算入する。
押収してある包丁1丁(略)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。