事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(わ)184 |
| 判決日 | 2017-07-11 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法181条1項、刑法203条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,被告人の殺意の有無,すなわち人を死亡させる危険性が高い行 為をそのような行為であると分かっていたといえるかである。 被告人が本件犯行に用いたつるはし(以下「本件つるはし」という。)は,長 さ90センチメートルの柄の先に弓状の硬質金属部分(長さ37センチメートル) が取り付けられた重量約1.7キログラムのものであり,金属部分の一方の先端 は平坦,他方の先端は鋭利であった。 そして,被告人は,被害者の頭部を殴打しようと考え,本件つるはしを持ち出 して被害者に近付いた上,その金属部分の尖鋭な方で被害者の右側頭部を殴打し た。これにより,被害者の頭蓋骨が陥没骨折し,頭部表皮から約4.6センチメ ートル,頭蓋骨内側から約2.1センチメートルの深さの傷が生じ,脳挫傷等の 傷害も生じている。そして,これらの傷の深さ及び角度等を分析した法医学者で ある証人Cの証言によれば,被告人は,被害者の頭部に対し,本件つるはしを相 当強い力で振り下ろして殴打したと認められる。 このように,重量がある上,先端が金属製で鋭利なつるはしで,頭蓋骨が骨折 し,上記の深さの傷を負わせるほどの相当強い力で頭部を殴打する行為は,人を 死亡させる危険性が高い行為であるといえる。 そして,被告人は,以前から本件つるはしを用いて氷を割るなどしており,そ の危険性は十分認識していたところ,本件において,これを取りに行って持ち出 し,被害者の頭部を狙って相当強く殴打しているのであるから,自己の行為が, 人を死亡させる危険性が高い行為であることを分かっていたといえる。被告人に 発達障害があるとしてもこの結論に影響はない。 よって,被告人には殺意があったと認められる。 (法令の適用) 罰 条 刑法203条,199条 刑 種 の 選 択 有期懲役刑 法 律 上 の 減 軽 同法43条本文,68条3号 未決勾留日数の算入 同法21条 没 収 同法19条1項2号,2項本文(札幌地方検察庁で 保管中のつるはし1本〔略〕は判示殺人未遂の用に 供した物で被告人以外の者に属しない。) 訴 訟 費 用 の 不 負 担 刑事訴訟法181条1項ただし書 (量刑の理由) 本件の犯行態様は,上記のとおり危険な凶器を用いて頭部を相当強い力で1回 殴打したというものである。本件では,被害者のけがは入院加療10日間及び3 か月間以上の経過観察を要する脳挫傷等であり,幸いにも命に別状はなかったが, 頭部に加えられた衝撃の強さからすれば,部位がわずかにずれれば被害者が死亡 していた可能性もあった。このように,本件犯行は,1回にとどまるとはいえ危 険なものであり,これによって生じた結果も軽いとはいえない。 もっとも,本件は,被告人が,従前より職場において上司である被害者から指 導,叱責され,不満を募らせていた中で,被害者から蹴られたこ
主文(判決文より)
被告人を懲役3年に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 札幌地方検察庁で保管中のつるはし1本(略)を没収する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。