現住建造物等放火未遂被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成30(わ)103
判決日2018-06-01
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法14条2項、刑法19条1項2号、刑法21条、刑法43条、刑法56条1項、刑法112条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,被告人がベッドの布団に火をつけた際,本件建物に火が燃え移る
可能性を分かっていたか(現住建造物等放火罪の故意の有無)である。
証拠を検討すると,被告人は,さほど広くないワンルームの部屋の壁に沿って置
かれたベッドの布団に火をつけているのであるから,本件建物の構造部分が基本的
にコンクリートで造られているとはいっても,放っておけば本件建物の一部に火が
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燃え移る危険があることは通常容易に分かるといえる。
この点,被告人には本件当時精神遅滞,統合失調症等の精神障害があり,現実的
検討能力が低く,後先を考えずに短絡的に放火行為に及んでいるともいえるところ
である。しかしながら,被告人は,火がベッドの上から他に燃え広がらないような
行動や自ら消火するような行動はとらずに被告人方から立ち去っており,このこと
からすれば,被告人は火が布団からその周辺に燃え広がる可能性を予測していたと
見ることができる。このことに加え,被告人は,本件建物に勤務していた職員の部
屋を訪れて火をつけた旨申告しているところ,被告人は,この行動をとった理由に
ついて,放っておけば危ないと感じていたとも述べており,建物の構造が異なると
はいえ過去に布団に火をつけて建物を全焼させたことがあることをも併せ考えると,
被告人が意図する以上に火が布団からその周辺に燃え広がる可能性があることもな
お一層理解していたものと見ることができる。
そうすると,被告人は,弁護人が指摘する被告人の精神障害等の事情を考慮して
も,布団に火をつけると布団等のベッド上の物が燃えるにとどまらず,建物の一部
にも火が燃え移る可能性があることは分かっていたと認められ,現住建造物等放火
罪の故意があったと認められる。
(累犯前科)
事実
平成24年7月20日甲府地方裁判所宣告
建造物侵入,窃盗の罪により懲役1年4月
平成25年10月29日刑執行終了
(法令の適用)
罰 条 刑法112条,108条
刑 種 の 選 択 有期懲役刑
累 犯 加 重 刑法56条1項,57条(刑法14条2項の制限内
で再犯の加重)
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法 律 上 の 減 軽 刑法43条本文,68条3号
未決勾留日数の算入 刑法21条
没 収 刑法19条1項2号,2項本文(札幌地方検察庁で
保管中のライター1本〔平成30年領第207号符
号1〕は判示犯行の用に供した物で被告人以外の者
に属しない。)
訴 訟 費 用 の 不 負 担 刑事訴訟法181条1項ただし書
(量刑の理由)
本件は,放火を認識しても速やかな避難が困難であると予想される高齢者又は障
害者が多数所在する建物内において火をつけたものである。本件建物が鉄筋コンク
リート造であることなどからすると,多数の居住者に危害が及ぶ現実的なおそれが
高かったとまではいえないが,多数の者に対し危

主文(判決文より)

被告人を懲役4年に処する。
未決勾留日数中110日をその刑に算入する。
札幌地方検察庁で保管中のライター1本(平成30年領第207号符
号1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。