事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ワ)1534 |
| 判決日 | 2018-08-17 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法38条 |
この事件の代理人
- 契約(被告代理人)
争点(判決文より)
本件の争点は,本件復路交通費が本件算定基準32条1項の定める遠距離接 見等交通費に該当するか否かであり,これに対する当事者の主張は,以下のと おりである。 (原告の主張) ⑴ 本件算定基準32条1項は,遠距離接見等交通費の支給要件として,一般 国選弁護人契約弁護士が国選弁護人に選任された事件「に関して」遠距離移 動をした場合を定めており,その文言上,遠距離移動が上記事件と関連性を 有することを要件としているが,これは,要するに,国選弁護人の活動とし て遠距離移動をした場合をいい,遠距離移動の際に国選弁護人の地位を有し ていたことは求められていない。このように文言から当然に読み取れるよう に解釈することは,被疑者及び被告人の憲法及び刑訴法上の権利を担保する という被告の活動目的に合致する合理的なものである。 本件において,A警察署から受入先施設までの遠距離移動は,受入先施設 まで被疑者に同行することが検察官による釈放の条件とされたために行わ れたものであるから,本件刑事事件と関連性のある遠距離移動である。した がって,本件復路交通費は,遠距離接見等交通費に該当する。 ⑵ 被告は,本件算定基準32条1項に定める遠距離接見等交通費は国選弁護 人の地位を有する間に支出されたものに限られると主張する。しかし,同項 の文言上,そうした限定は加えられていない。加えて,被告は,本件算定基 準を変更することなく裁判所による選任命令前に行われた初回接見につい ても報酬算定の対象とし,被疑者釈放後に示談が成立したときも本件算定基 準30条1項による特別成果加算を認めていることからすれば,被告自身も 国選弁護人としての地位を有していない活動についても報酬の支払の対象 としているのであって,遠距離接見等交通費についてのみ別異に解すべき理 由はない。 この点に関し,被告は,国選弁護人の地位を失った後の費用をも支給対象 とすると,その終期が不明確になりかねず,無限定な支出を招く事態となる とも主張するが,支給対象となるのは国選弁護人の活動のための遠距離移動 に係るものに限られるのであるから,無制約な支出を招くことにはならな い。また,本件で原告が支払を求めているのは,遠距離移動として往路分の 交通費が認められる接見を行った場合の復路分の交通費であって,予測可能 な範囲内であるから,不明確であるともいえない。 (被告の主張) ⑴ 被告が弁護士との間で一般国選弁護人契約を締結するときは,法務大臣の 認可を受けた契約約款によらなければならない(法36条5項)とされてい るのは,①契約弁護士に支給される国選弁護費用は全て国費により賄われる ものであり,憲法等に基づく国民の権利を保障するための義務的経費であっ て,財政規律を維持する必要があること,②弁護活動の自主性・独立性に対 し格別の配慮が必要
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。