事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(わ)883 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法108条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断) 第1 本件の概要及び争点 1 事案の概要 被告人は,かねてから,同居の母Aとの間のもめ事で当時の被告人方(以下,単 に「被告人方」という。)に警察官や消防が臨場する事態を度々引き起こしていた。 本件当日昼にももめ事が起き,Aは,臨場した警察官の説得を受けて外泊すること とした。被告人は,Aが戻ってこないことに不安を募らせ,その後,110番通報 や苫小牧警察署への電話を20回以上繰り返してAを被告人方に連れ戻すよう要求 したが受け入れられないでいた。このような中,被告人方から公訴事実記載の火災 (以下「本件火災」という。)が発生し,これが被告人の放火によるものとして起 訴されたのが本件である。 2 争点 当事者間に,被告人の動作により本件火災が発生し,焼損結果が生じたことに争 いはないが,①本件火災の原因が被告人の放火行為によるものか,②仮に被告人の 放火行為によるものとして,被告人に完全責任能力があったかについて争いがある。 第2 争点①(本件火災の原因が被告人の放火行為によるものか)について 1 本件火災発生時の被告人方の状況 ⑴ 関係各証拠によれば,本件火災当時,被告人方屋内にあった灯油は,玄関に 置かれたポリタンク及び居間に設置されたストーブ内のタンクの中だけであり,そ のタンクへの給油は,普段Aが玄関で行っていたと認められる。他方で,本件火災 翌日に行われた被告人方の実況見分の際,居間のうち焼損の激しい中央部分が出火 部と特定され,居間入口から中央部分にかけた広い範囲で,水がはじかれている状 況や水たまりに虹色の油分が浮遊している状態が見られ,室内には油臭が漂ってい たことが認められる。加えて,被告人と苫小牧警察署で当直勤務をしていたC警察 官との間の通話内容から本件当日午後11時28分頃(以下,時刻のみの記載は本 件当日のものを指す。)までは火災は生じていなかったと認められるが午後11時 30分56秒には近隣住民からの119番通報があったことからすると,本件火災 の火の回りは早く,出火直後から相当な量の燃料が媒介して火勢を強めたものと認 められる。 ⑵ これらの事実によれば,本件火災発生前に,被告人方居間には広い範囲に相 当量の灯油が存在するという日常生活では生じ得ないような状況になっていたと認 められる(なお,実況見分の際に採取された残焼物からは,居間の2か所のほか, 4畳半間及び6畳間の二つの和室からも灯油が検出されている。しかし,その量は 判明しておらず,消火活動等の別機会に付着した可能性も否定できないから,これ ら二部屋にも本件火災発生前から灯油が存在したとまでは認められない。)。 2 本件火災の際の被告人の警察への通話内容 ⑴ Cは,本件当日の被告人との電話について次のとおり証言する。 すなわち,被告人は,Aを連れ戻す
主文(判決文より)
被告人を懲役4年に処する。 未決勾留日数中100日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。