覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成30(わ)1002
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
本件の争点は,被告人が,日本に持ち込んだ判示ボストンバッグ(以下「本件バ
ッグ」という。)に覚せい剤を含む違法薬物が隠されているかもしれないと認識し
ていたか,である。
2 本件に至る経緯
被告人と関係者とのやり取りに関しては,電話や面会時の会話等客観的な裏付け
がないものもある。しかし,メール等の資料や被告人の公判供述のうちこれに整合
するものを含む関係証拠から,本件に至る経緯は,要旨,次のとおりと認められる。
(1) カナダ在住の被告人は,ナイジェリア中央銀行総裁Aを名乗る者からのメー
ルをきっかけに,平成26年7月から4年余りにわたり,同人のほか,ナイジェリ
ア行政府上院所属のBや英国弁護士Cを名乗る者らとの間で,メール等のやり取り
を重ねていた。Aらによれば,被告人には相続財産1000万米ドルを受け取る権
利があるとのことであった。しかし,被告人は,度々手数料等を支払わされるばか
りで全く金銭を受け取れなかった。そのため,遅くとも平成30年頃(以下の月日
は,同年のそれを指す。)には,Aらに対し,疑念を示したり,手数料支払を拒絶
したりするようになった。
(2) 被告人は,10月30日,Aから,相続財産の4割を渡してくれれば被告人
の経費負担は一切なくなる旨の提案を受け,これに応じた。その後,被告人は,日
本の担当者Dを名乗る者ともやり取りを重ねた末,被告人自らがカンボジアに渡航
して相続財産受取に必要とされる書類を受け取ってこれに署名をし,日本へ持って
いくことになった。
(3) 被告人は,12月1日(以下,現地時間),カナダから香港経由でカンボジ
アに渡航し,同月9日,カンボジアから大韓民国経由で来日した。この渡航に関し,
被告人は,航空券や宿泊先を自ら手配することも費用を負担することも全くなく,
Bらからの連絡を待ち,それに基づいて行動していた。
(4) 被告人は,カンボジア滞在中の同月5日,Bから,メッセンジャーアプリW
hatsAppで順次,①女性秘書が日本に運んでもらう書類と品物を被告人に届
けに行く旨のメッセージ,②本件バッグと思われるものの画像データ,③運搬する
書類について準備が完了し,これを日本の支払所まで運んでもらう予定である旨の
メッセージを受信した。その後,被告人は,WhatsAppを通じて,Bらと日
本で会えることを確認したり,税関への申告書に他人から預かった荷物はないと回
答するよう指示を受けたりした。
(5) 被告人は,同月8日午後9時30分頃,秘書のEを名乗る女性と直接会い,
相続財産受取に必要とされる十数通の書類を本件バッグに入れた状態で受け取った。
その際,被告人は,本件バッグの開口部から,相続財産受取とは関係がなく,自身
にとっても不要なリュックサックや女性物の衣類が入っているのを見ていた。
(6)

主文(判決文より)

被告人を懲役9年及び罰金400万円に処する。
未決勾留日数中160日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間
被告人を労役場に留置する。
札幌地方検察庁で保管中の覚せい剤10袋(同庁平成31年領第25号符号
1-1,2-1,3-1,4-1,5-1,9-1,10-1,11-1,
12-1,13-1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。