殺人被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成31(わ)169
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑法21条、刑法199条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 弁護人は,被告人が,本件犯行時,アルコール依存症及び酩酊のため,善悪の
判断をし,これに従って行動を制御する能力が著しく弱くなっていた状態(心神
耗弱)にあった疑いがある旨主張する。
2 証人B医師の証言によれば,被告人の精神障害の有無及び本件犯行との関係に
ついては,次のとおりであったと認められる。すなわち,本件犯行当時,被告人
はアルコール依存症に罹患していたが,これは酒類を飲みたいとの欲望に抵抗で
きないというものであって,普通の日常生活を送ることができており,認知や思
考に障害が生ずるような精神障害を来してはいない。また,被告人は,本件犯行
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当時,酩酊状態にあったが,摂取したアルコールの量は多量ではなく,自分が置
かれている状況や自らが及ぼうとしている行動についての意識に誤りを生じさせ
る程度ではなかった。被告人は,些細な葛藤を契機に怒りやすくなったり,衝動
の抑制に欠けたりする状態に陥ったことから,本件犯行に至ったものであるが,
その原因としては,アルコールによる面もさることながら,被告人の性格傾向に
よる面も多分にある。
このような被告人の精神状態や本件犯行との関係に照らすと,被告人は,善悪
を判断し,それに従って行動を制御する能力に著しい障害はなかったといえる。
そして,このことは,①犯行態様について,いったんビニールひもを用いようと
しながらも,丈夫なドライヤーの電源コードを持ち出して用いるなど殺害の目的
に沿った行動をしていること,②被告人は,犯行後には,その発覚を遅らせるた
めに被害者宅の訪問者を追い返した後,知人に犯行を打ち明け,自首を勧められ
て,警察に通報して自首するなど自分の置かれた状況を認識して合理的な行動を
とっていること,③被告人は,犯行状況について明確な記憶を保ち,比較的詳細
に供述をしていること等の事情によっても裏付けられている。
3 弁護人は,被告人が犯行の前後に異常な電話をかけ,又は異常な電子メールを
送信するなどの異常行動を繰り返していた点や,日頃おとなしい被告人が大好き
な母親を殺害することは理解し難く,その動機についての記憶をなくしていると
いった点などから,本件はアルコールの影響を著しく受けた結果の犯行であると
主張する。
しかしながら,犯行前の電話や電子メールといった行動については,携帯電話
を的確に操作していたことをも考慮すると,行動の意図,目的が不明であるとし
ても,被告人がアルコールによって抑制を欠き,衝動的な性格や思考が表に出た
にすぎないものと理解することができるのであって,精神障害の影響をうかがわ
せるという意味での異常なものとはいえない。また,犯行後の行動についても,
冷静なものとはいえないが,これは,犯行後に摂取したアルコールの影響に加え,
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母

主文(判決文より)

被告人を懲役8年6月に処する。
未決勾留日数中180日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。