傷害致死被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和1(わ)343
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑法21条、刑法39条2項、刑法205条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 弁護人は,被告人が,本件犯行当時,飲酒による酩酊のため,善悪の判断を
し,これに従って行動を制御する能力が著しく弱くなっていた状態(心神耗弱)
- 1 -
にあった旨主張し,検察官は,そのような状態にはなかった旨主張する。
2⑴ 証人B医師の証言によれば,被告人の精神障害の有無及び本件犯行との関
係については,次のとおりであったと認められる。すなわち,被告人は,本
件犯行当時,多量の飲酒により,複雑酩酊の状態にあり,周囲の状況を正し
く判断する力が低下するとともに,行動の抑制が利かなくなり,感情の赴く
まま行動する状態となっていた。被告人は,そのような状態にあったことか
ら,かなり怒りっぽくなっており,被害者との何らかのトラブルを契機に,
被害者に暴行を加える意思を生じるようになった。そればかりか,被告人は,
興奮し,怒りに任せて,被害者の状況を考慮することもなく,胸腹部に最低
でも20回から30回程度の強い打撃を加えるにまで至った。このように,
被告人は,アルコールを摂取していなければ,本件犯行には至らなかったと
考えられる。
⑵ このような被告人の精神状態や本件犯行との関係に加え,犯行の回数や強
さが,これまでに被告人が被害者に対して加えてきたと窺われる暴行の程度
に比べて明らかにかけ離れたものであることからすれば,被告人が本件犯行
に及んだのは,複雑酩酊の状態により,周囲の状態を正しく判断する力が低
下していたことや行動の抑制が利かなくなっていたことによる影響が相当に
大きかった可能性があると認められる。そうすると,本件犯行当時,善悪を
判断し,それに従って行動を制御する能力が著しく弱まっていた可能性が認
められる。
3 検察官は,本件犯行の動機は理解でき,その態様も動機に整合する合理的な
ものであったから,異常性はなかったと主張する。確かに,被告人が日頃から
飲酒の上で被害者に対して暴行を加えていたことが窺われることからすると,
本件においても,飲酒の上で何らかの原因を契機に被害者に対して一定程度の
暴行を加えるという限りでは,被告人の動機を理解できなくはない。しかしな
がら,このような動機に基づくとしても,上記の態様の異質性を十分に説明で
- 2 -
きるものとはいえない。このように,本件犯行については,被告人が,複雑酩
酊の状態に陥ったことで,周囲の状況を的確に認識できない中,自らを抑制す
ることができなくなり,興奮し,怒りに任せて,被害者の状況を考慮すること
もなく行動してしまったことによるものと見る余地が多分に残る。
また,検察官は,犯行前後の被告人の行動について,正常ないし合理的なも
のであったと指摘する。しかしながら,本件犯行が行われた時刻については,
証拠上,18時間程度の幅をもってしか認定できないものであり,検

主文(判決文より)

被告人を懲役7年に処する。
未決勾留日数中150日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。