信書発信禁止処分取消等請求事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成30(行ウ)20
判決日2020-01-14
分類民事
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、民法802条1号

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
20 ⑴ Bが法128条にいう「親族」に当たるか
⑵ 本件処分は国家賠償法上違法といえるか
⑶ 損害額
5 争点に関する当事者の主張
⑴ Bが法128条にいう「親族」に当たるか
25 (被告の主張)
本件縁組は,C組の組長であるBとその構成員である原告との間におけ
る,C組を維持し又は強化するための疑似的血縁関係の形成等を目的とす
るものであり,原告とBは,社会通念上,親子の関係と認められる関係を
持つ意思はなかった。したがって,本件縁組は,真に養親子関係の設定を
欲する効果意思を欠き,無効であるから,Bは,法128条にいう「親族」
5 には当たらない。
仮に,本件縁組が無効といえないとしても,外部交通通達28項が定め
るように,法令における外部交通の各種規制を潜脱するために養子縁組が
された場合には,当該縁組による養親子関係にある者については,法12
8条にいう「親族」には当たらないと解すべきである。本件縁組は,上記
10 場合に当たると認められるから,Bは,法128条にいう「親族」には当
たらない。
(原告の主張)
Bは,「Cの名を残したい。」,「墓を守ってほしい。」との思いから,
原告に対し,養子縁組の申出をし,原告において,温かい人柄のBとそれ
15 まで同様の関係を一生続けていくであろうとの思いをもって,養子縁組を
決意したものであって,本件縁組は,C組における組織の維持強化を目的
としたものではない。仮にそのような目的があったとしても,この目的と,
真の親子関係を成立させる意思とは併存し得る。したがって,本件縁組は,
社会通念上,親子と認められる関係を成立させる意思に基づくものであっ
20 て,有効である。
そして,本件縁組が民法上有効である以上は,信書の発信を禁止する根
拠は存在しない。
したがって,Bは,法128条にいう「親族」に当たる。
⑵ 本件処分は国家賠償法上違法といえるか
25 (原告の主張)
本件信書については,法128条によりその発出を禁止することは許さ
れないにもかかわらず,A刑務所長は本件処分を行ったのであるから,A
刑務所長には過失が認められ,本件処分は国家賠償法上違法となる。
(被告の主張)
本件処分が違法であったとしても,A刑務所長は,原告及びBの身上関
5 係等について必要な調査をし,相応の根拠に基づいて本件処分をした。し
たがって,A刑務所長は,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことな
く漫然と本件処分をしたわけではないから,本件処分は国家賠償法上違法
とはいえない。
⑶ 損害額
10 (原告の主張)
本件処分による原告の精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,1
0万円を下らない。
(被告の主張)
争う。
15

主文(判決文より)

1 A刑務所長が原告に対し平成30年4月12日付けでしたBへの信書の発信
を禁止する処分の取消しを求める訴えを却下する。
2 原告のその余の請求を棄却する。
5 3 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。