請求異議事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和1(ワ)1729
判決日2020-02-21
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件発信者情報1及び3-開示請求権の消滅の有無
(2) 本件発信者情報2-強制執行の権利濫用該当性
3 争点についての当事者の主張
(1) 争点(1)(本件発信者情報1及び3-開示請求権の消滅の有無)について
(原告の主張)
前記1(3)のとおり,原告は既に被告に対して本件発信者情報1及び3を開
示しており,その開示義務は履行済みである。
したがって,本件発信者情報1及び3の開示請求権は消滅しているから,
本件前訴判決のうち上記の開示を命じる部分に基づく強制執行は許されない。
(被告の主張)
争う。
(2) 争点(2)(本件発信者情報2-強制執行の権利濫用該当性)について
(原告の主張)
以下のとおり,被告が本件前訴判決のうち本件発信者情報2の開示を命じ
る部分に基づいて強制執行を行うことは,信義則に反し,権利濫用となる。
ア 本件発信者情報2の価値
被告が本件侵害サイトA2の発信者に対して損害賠償請求権を行使する
ためには,①原告からIPアドレス及びタイムスタンプ(本件発信者情報
2)の開示を受け,②これに基づき,経由プロバイダに対してその発信者
情報の開示請求をし,発信者の住所,氏名等の開示を受ける必要がある。
しかし,経由プロバイダにおけるアクセスログの保存期間は極めて短い
のであって,本件前訴の提起から既に3年もの期間が経過している現在に
おいて,被告が原告から本件発信者情報2の開示を受けたとしても,アク
セスログがなお保存されているとは考えられず,発信者に対して損害賠償
請求権を行使することは不可能である。
また,本件侵害サイトA2については,既に被告は原告からそのメール
アドレス(本件発信者情報3)の開示を受けている。しかも,被告によれ
ば,本件侵害サイトA2の運営者は「丙」として特定できているというの
である。
したがって,本件発信者情報2は被告にとって必要のないもので,無価
値である。
イ 本件発信者情報2の開示可能性

主文(判決文より)

1 被告の原告に対する札幌地方裁判所平成28年(ワ)第2097号発
信者情報開示等請求事件の執行力のある判決正本に基づく強制執行は,
別紙発信者情報目録記載1及び3の発信者情報の開示を命じる部分の全
部並びに同目録記載2の発信者情報の開示を命じる部分のうち60万円
を超える部分につき,これを許さない。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを5分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の
負担とする。
4 本件につき当裁判所が令和元年9月11日にした強制執行停止決定は,
第1項において強制執行を許さないものとした限度でこれを認可し,そ
の余の部分を取り消す。
5 この判決は,第4項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。