事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)1732 |
| 判決日 | 2020-07-31 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 被告又はその従業員による過失の有無 ア Cが,食事介助の際に,目を離さず,少しずつ食べさせて様子を見る注 意義務違反 イ Cが誤嚥に即時対応する注意義務違反 ウ Dが誤嚥に即時対応する注意義務違反 エ 吸引器及びAEDを即時用いて措置を行う注意義務違反 オ 被告が体制を整備する注意義務違反 (2) 過失とAの死亡との間の因果関係の有無 (3) 損害の発生及び額 4 争点についての当事者の主張 (1) 争点(1)(被告又はその従業員による過失の有無)について (原告の主張) ア Cが,食事介助の際,目を離さず,少しずつ食べさせて様子を見る注意 義務違反 (ア) Aは,食事を始めとした生活全般に介助を要していて,意思疎通が困 難で,過去に喀痰の誤嚥を原因とした誤嚥性肺炎で入院した経験があっ - 3 - て,誤嚥のおそれが大きいと医師から指摘されていたし,食事中のむせ こみ,痰絡みが多発し,痰の除去等が必要であった。こうした状態では, 一度窒息に至れば平均的一般人に比較して死に至る時間が短く,死に至 る危険性が高い。 (イ) したがって,被告ないし食事を介助する従業員は,Aが食事中に誤嚥 を起こし,窒息死するおそれがあると予見し得たのであり,こうしたお それがあることを前提とすれば,食事中は目を離すことなく,Aの一口 ずつの嚥下を終始見届けて,食事を少しずつ食べさせることが必要であ るとともに,痰絡みがあればこれを除去するなどし,Aに誤嚥,窒息等 の異常が生じていないか注視する義務があった。 (ウ) しかるに,食事介助をしていたCは,これらの行為をせず,漫然と食 事をとらせ,また,Aの異常にも気づかずに窒息状態に至らせたから, 上記の義務を怠った過失がある。 イ Cが誤嚥に即時対応する注意義務違反 上記ア(ア)のように,Aは誤嚥のおそれが大きいから,Aの食事介助に 関わるCには,自ら誤嚥の対処方法を習得し,即座に実践して対処する義 務があったし,被告の緊急時マニュアルには,窒息時に口の中の食べ物を 掻き出し,何度も吐かせ,それでも呼吸をしないときは救急車を要請する などの定めがあったから,これに従った行動をとる義務があった。 しかるに,Cは,誤嚥に対応する行動に何ら出ておらず,Dを呼ぶよう に要請したにすぎないから,こうした義務を怠った過失がある。 ウ Dが誤嚥に即時対応する注意義務違反 Aは,上記ア(ア)のように誤嚥のおそれが大きかったことに加え,昼食 中に顔面蒼白等の症状が見られたのであるから,Dは,即座に食事中の誤 嚥及び窒息を疑い,誤嚥に対する基本的な対処である背部叩打法等を施す とともに,速やかに救急車を呼ぶように指示し,看護師に対処を求める義 - 4 - 務があった。 しかるに,Dは,医師の指示があるまで背部の殴打すらせず,救急車の 要請
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。